アイダ設計は寒い?断熱材や断熱性能(UA値)気密性能(C値)を確認

2023-08-08

アイダ設計は寒いのか?そして夏は暑いのか?使用している断熱材の種類や気になる断熱性能(UA値)、気密性能(C値)を確認していきたいと思います。

参照:アイダ設計
断熱性能(UA値)と気密性能(C値)の説明

◦UA値とは?

UA値とは「外皮平均熱貫流率」と言って、外皮(床・天井・壁・開口部等)を介して熱がどれくらい外部へ逃げやすいかを示した数値です。

UA値が大きい程、熱が外部に逃げやすい=断熱性能が低いと見る事が出来ます。反対にUA値が小さい家は断熱性能および省エネルギー性能が高いことになります。

◦C値とは?

C値とは「相当隙間面積」と言って、家にどの位のスキマがあるのかを示した数値です。C値が大きい程、家にスキマが空いている=気密性能が低いと見る事が出来ます。

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アイダ設計は寒い?断熱材や断熱性能(UA値)を確認

アイダ設計では注文住宅の「ブラーボシリーズ」と、コンセプト住宅の商品を複数取り扱っています。仕様は商品により異なりますので、ここではアイダ設計の看板商品でスタンダードな仕様となる「ブラーボ」の断熱性能(UA値)を確認していきたいと思います。

断熱材は「高性能グラスウール」

ブラーボで使用されている断熱材は高性能グラスウールです。

グラスウールには繊維の密度の違いによって10K・16K・24Kなどがあります。数字が大きいほど密度が高く、断熱性能が高くなります。

ちなみに断熱材の性能は熱伝導率(熱の伝わりやすさを数値で表したもの、数値が小さい方が熱が伝わりにくい=断熱性能が高い)によって決まります。

◦高性能グラスウールの熱伝導率

繊維の密度熱伝導率(W/m・k)
高性能グラスウール(10K)0.043
高性能グラスウール(16K)0.038
高性能グラスウール(24K)0.036

熱伝導率を見て分かる通り、高性能グラスウール(16K)は(10K)よりも性能がわりとアップしていますが、(24K)は価格がアップする割には(16K)と比べても、そこまで大きく断熱性能はアップしていません。

そうした事情もあり、高性能グラスウールは16Kが使用されている事が多いです。HP等に記載はないですがアイダ設計も恐らく16Kだと思われます。

高性能グラスウールのメリット&デメリット

◦メリット

・コスパに優れる

グラスウールは材料費や安く、施工にかかるコストも安くすみます。その為、おなじ断熱性能を確保する為にかかるコストは他の断熱材に比べると安くすみます。

安く断熱性能を確保出来るのでコスパに優れている断熱材です。

・加工しやすい

グラスウールはガラスを高温で溶かし、ミクロン(1/1000ミリ)単位の細い繊維にして綿状にした物なのですが、曲げたりカッターで切断したり加工が安易な素材です。

加工に専用の機械を必要とせず現場で出来るので様々な住宅構造に合わせて施行する事が出来ます。

・耐火性に優れる

グラスウールの原料はガラスで不燃性の素材なので耐火性の高い断熱材です。万が一火災が発生した場合でも有毒ガスなどを発生しません。

◦デメリット

・隙間なく施工するのに技術を要する

グラスウールは吹付タイプの発泡プラスチック系断熱材とは異なり、固形のグラスウールを壁の中に充填して施工します。その為、コンセント周りなど複雑な箇所ではスキマが出来やすくなってしまいます。

断熱施工を行う職人さんの腕によっては断熱性能が悪くなるので、腕に影響されやすい事がデメリットの一つです。

・湿気(水)に弱い

グラスウールは繊維の間に空気を含む事で断熱性を確保しているので、湿気(水)が入ってしますと断熱性能が失われてしまいます。

その為、防湿フィルムに包まれたまま施工を行うか、別張りで防湿シートで覆うか行いますが、きちんと防湿が行われていないと断熱性能が下がります。

ウレタン吹付断熱の採用も可能(オプション)

オプション扱いとなりますが、断熱材を高性能グラスウールからウレタン吹付断熱に変更する事も可能です。

ちなみにウレタン吹付断熱の熱伝導率は使用する発泡剤の種類により異なりますが、0.034(W/m・k)位となります。

主なメリットは断熱性に加えて気密性も確保しやすい事です。霧状の断熱材を吹き付けて施工するので、複雑な構造にも隙間なく施工する事が出来ます。

自己接着力もあるので硬化した後に簡単にズレたりする事もありません。また、防音性を高める効果も期待出来ます。

デメリットは費用が高めである事と、高い断熱性能を確保するには一定の厚みを確保する施工が必要である事です。熱伝導率が良くても断熱材の厚みが薄いと高い断熱性能は得られませんので、どの位の厚みを確保するのか施工前に確認しておきましょう。

断熱工法

画像:リフォームのTAKEUCHI

木造住宅の断熱工法は主に「充填断熱(内断熱)」か「外張断熱(外断熱)」の2つに分類されますが、アイダ設計では「充填断熱」が採用されています。

2つの工法の特徴や違いは以下の通りです。

充填断熱外張断熱
特徴柱などの構造材のすきまに断熱材を充填する工法柱などの構造材の外側を断熱材ですっぽり包む工法
メリット・コストが安い
・経年劣化しにくい
・外張断熱よりよく使われる工法なので技術面で安心感がある
・すっぽり包むので断熱性能を確保しやすい
・壁内の空間を配管・配線・収納などにも使える
・気密性を高める施工も行いやすい
デメリット・柱の箇所で断熱材が途切れ性能が落ちる
・防湿気密層の施工に特に注意が必要
・コストが割高
・経年劣化の不安がある
・外壁が厚くなるので多少敷地や間取りに余裕が必要

窓の断熱仕様

理由は後述しますが、家の断熱性能を意識する上で窓の断熱仕様もとても重要になってきます。

ブラーボでは標準仕様でLow-E複層ガラス(アルゴンガス入り)+アルミ樹脂複合サッシが採用されています。

複層ガラスの内部に貼られたLow-E膜(特殊金属膜)が日射熱を大幅に減少し、アルゴンガスが断熱効果をUPしています。

断熱性能(UA値)

「ブラーボ」の標準仕様の断熱性能は断熱等級5、断熱性能を表すUA値は0.55w/(㎡・k)です。東京・大阪などが該当する6地域ではZEH基準を満たす基準となっています。

◦断熱等級と基準となるUA値

等級/地域区分1234567
断熱等級7
(HEAT20 G3基準相当)
0.20.20.20.230.230.260.26
断熱等級6
(HEAT20 G2基準相当)
0.280.280.280.340.340.460.46
断熱等級5
(ZEH基準相当)
0.40.40.50.60.60.60.6
断熱等級4
(H28年 改正省エネ基準)
0.460.460.560.750.870.870.87
地域区分表

ブラーボの坪単価は40万円~60万円位が目安となりますが、この価格帯の商品にしては満足できる断熱性能を有しています。

こだわる方は「ブラーボ・ゼネクト」

断熱性能にこだわりたい方はアイダ設計のブラーボシリーズの「ブラーボ・ゼネクト」をおすすめします。こちらの商品を簡潔に説明するとブラーボの住宅性能をワンランク上げた住宅商品となります。

使用する断熱材は、構造用パネルに予め硬質ウレタンフォームを組み込んだ断熱材一体型パネルを採用しています。

硬質ウレタンフォーム断熱材の熱伝導率は0.023以下でアイダ設計の場合厚みは85mmで施工されます。

断熱性能を表すUA値は0.46以下を指標としています。UA値0.46以下であれば3地域でもZEHを満たす断熱性能です。

標準仕様での断熱性能はブラーボよりも「ブラーボ・ゼネクト」の方が高くなります。

アイダ設計の気密性能(C値)を確認

気密性能は現場で測定を行う実測値で1棟1棟異なるのでHPに記載されていない事が多いのですが、アイダ設計でも公式HPにはC値の記載はありません。

こうした場合、実際にアイダ設計で建てた方の建築ブログを参考にするのですがググッた結果、アイダ設計で気密測定を行っているブログ等も発見出来なかったので、アイダ設計の工法や仕様、断熱工法などから気密性能(C値)を推測していきたいと思います。

標準仕様でのC値は1.0前後(予想値)

アイダ設計では面材工法と呼ばれる、木造軸組工法をベースに2×4工法のように斜め部材に筋交いではなく耐力面材を使用します。従来の軸組工法に比べると気密性は確保しやすいです。

断熱施工は高性能グラスウールの充填断熱です。グラスウールは気密施工が難しく高い気密性を確保するには丁寧な施工と技術が求められます。

以上の事より、「ブラーボ」の標準仕様でのC値は1.0前後になると予想されます。

気密性能にこだわりたい方は断熱材をウレタン吹付断熱に変更するか「ブラーボ・ゼネクト」を選択する事で気密性能を高められます。その場合、恐らくC値は1.0以下になると思います。

換気システムにも注目

アイダ設計の家が寒いのか?断熱材や断熱性能(UA値)気密性能(C値)を気にされる方は、「快適に暮らせるのか?」という部分が一番気になっている事だと思います。

快適に暮らせるかどうかは断熱性能や気密性能に加えてどのような換気システムが採用されているかどうかも重要になってきますので確認しておきましょう。

標準は「第三種換気システム」

画像:日本住環境株式会社

ブラーボの標準仕様の換気システムは「第三種換気システム」が採用されています。第三種換気システムとは給気は自然に行い排気は機械によって行う換気システムの事です。

コストが安い事やメンテナンスが簡単な事がメリットですが、熱交換器を付ける事が出来ないので換気によって熱損失が起こってしまいます。

冬などは換気により室温が下がる事もありますので快適性を求めるなら第一種換気システムをおすすめします。

熱交換器付き第一種換気システム(オプション)

熱交換器付き第一種換気システムはオプションとなります。第一種換気システムとは給気も排気も機械によって行われる換気システムの事です。熱交換器を付ける事が出来ます。

熱交換とは外気から取り込む空気を室温に近づけてから各部屋へ空気を送り込むシステムの事で、換気による熱損失を抑えてくれます。

それにより快適な室内環境を保ちやすくなり、冷暖房費も抑制する事が出来ます。

「ブラーボ・ゼネクト」の場合は熱交換器付き第一種換気システムが標準搭載されています。

寒い?アイダ設計の断熱材やUA値、C値の結果発表

アイダ設計の断熱材は「ブラーボ」の標準仕様は高性能グラスウールです。オプションでウレタン吹付断熱に出来ます。「ブラーボ・ゼネクト」では硬質ウレタンフォームを組み込んだ断熱材一体型パネルが採用されています。

断熱性能を表すUA値は、「ブラーボ」の標準仕様でUA値0.55です。「ブラーボ・ゼネクト」の場合はUA値0.46以下となります。

C値は予想値ですが「ブラーボ」の標準仕様では1.0位。「ブラーボ・ゼネクト」の場合はC値1.0以下になると思われます。

ブラーボブラーボ・ゼネクト
断熱材高性能グラスウール
ウレタン吹付断熱(オプション)
硬質ウレタンフォーム一体型パネル
UA値0.55(W/㎡・k)0.46(W/㎡・k)
C値1.0位(c㎡/㎡)1.0以下(c㎡/㎡)

(※)
・C値はアイダ設計の公式数値ではありません。構造・工法、断熱工法等から管理人が推測した予想値です。
・UA値、C値は家の形状や間取り・仕様等による変わりますのであくまで参考程度にお考え下さい。

結局のところ寒いのか?

「ブラーボ」の標準仕様のUA値0.55は決して悪い数値ではありません。4,5,6,7地域ではZEH基準を満たしていますので、個人差はあると思いますが誰もが"寒い"と感じる性能ではないです。

ただ、大きな窓を多く設置したり第三種換気のままだと冬場寒いと感じる時もあるかもしれません。

こだわりたい方は吹付断熱への変更を検討すると良いでしょう。

また断熱性能(UA値)に直接影響するところではないですが、換気システムを熱交換器付きの第一種換気システムに変更する事で住環境は改善されます。

そうする事で「寒いかも…」という問題は解決出来ますが、今度は導入コスト&ランニングコストが問題となりますのでコスト面とのバランスも含め決めていきましょう。

アイダ設計のより詳しい情報はカタログを参考に

断熱性能(UA値)と気密性能(C値)の注意点

断熱性能と気密性能を判断する上でUA値とC値は役に立つ指標ですが、知っておいた方が良い注意点もありますのでご紹介しておきます。

そもそも高気密高断熱には定義がない

ハウスメーカーのHPにも「高気密・高断熱仕様!!」等と書かれている事がありますが、どの位の数値であれば高気密・高断熱とPRしても良いといった定義は決まっていないのです。

その為、営業マンの「我が社の家は夏は涼しく冬は暖かい、高気密高断熱住宅ですよ」等のセールストークを鵜呑みにして家を建てた結果、実際の性能はそこまで高くない"なんちゃって高気密・高断熱住宅"を掴まされたという失敗例がよくあります。

そうした失敗をしないように性能は文言ではなく必ず数値で確認をするようにしましょう。

◦断熱気密性能は必ずUA値,C値で確認を

例えば、以下のようなキャッチフレーズで性能をPRをしているハウスメーカーが3社あったとします。

A社:『高性能の断熱材で真冬でもポカポカ住宅!』
B社:『裸足でも快適に過ごせるあたたかいお家!』
C社:『W断熱で夏でも冬でも1年中快適ハウス!』

文言だけでは実際にどこの会社が1番断熱・気密性能に優れているのか分からないと思います。では、下記の場合はどうでしょうか?

A社:UA値:0.8/C値:1.0
B社:UA値:0.3/C値:0.3
C社:UA値:0.6/C値:1.2

数値に置き換えれば3社の中でB社の商品が1番断熱・気密性能に優れているという事が分かります。

ちなみに実際の高気密・高断熱住宅であれば住環境はかなり快適です。当サイトが推奨する値としてはUA値はZEH基準を満たす値、C値は0.7以下です。その数値であれば高気密・高断熱住宅と呼べます。

(C値は経年劣化の影響を受けやすいので新築時には0.7以下を目指したい所)

UA値はあくまで理論値

UA値は建築する家の間取りや仕様が決まると計算によって求める事が出来ます。以下がUA値を求める計算式です。

UA値=建物が損失する熱量の合計(w/k)÷外皮面積(㎡)

UA値は現場で測る数値ではなく、関係する各箇所の断熱性能などを元に計算で求める理論値となります。

その為、施工の精度が低かったり施工不良などがあると計算で求めたUA値よりも実際はもっと低い断熱性能になる可能性もあります。

C値は実測値

C値は現場で測る実測値です。以下の計算式で求める事が出来ます。

C値=家全体の隙間の合計(c㎡)÷延床面積(㎡)

建てる家のすき間を調べるのである程度現場工事が進んでからでないと気密測定は行えません。つまり家を建てる前段階ではC値は分からないのです。

またC値も現場の施工精度に影響を受けます。

気密性能は構造や工法の違い、断熱工法の違い等々によって気密性を確保しやすい建物と確保が難しい建物があるので、C値が悪いからといって一概に現場の施工精度が低いという訳ではありません。

ただ施工精度が低かったり、気密施工に疎い現場では優秀なC値が出ないのも事実なので気密性能にこだわる場合には過去の平均C値などを担当者に尋ねるのが良いでしょう。

UA値とC値はセットで考える

断熱性能が優れていてもすき間だらけの家では外気の影響をもろに受けてしまいます。逆もまた然りで、すき間のない家でも断熱性能が悪ければ外皮から熱はどんどん逃げてしまいます。

どちらか一方だけが良くてもあまり意味がないのでこの2つの性能はセットで考えるようにしましょう。

断熱性能(UA値)を改善する方法

UA値の計算に関わる項目は主に断熱材の種類や厚み、ガラス・サッシの種類、大きさ、断熱材の施工方法などです。

断熱材の施工方法などは施主側で勝手に変える事が難しい項目なので断熱性能(UA値)を改善する方法として注目したいのが以下の4点です。

◦断熱材のグレードや厚みを上げる
◦窓を高断熱仕様にする
◦窓のサイズや設置数
◦玄関ドア・勝手口ドアを高断熱仕様にする

断熱材のグレードや厚みを上げる

こちらに関しては詳細な説明は不要だと思いますので割愛します。

より熱伝導率が低い断熱材をぶ厚く施工すれば断熱性能は上がります。アイダ設計もそうですがオプションで対応可能なハウスメーカーが多いです。

窓を高断熱仕様にする

1番コスパ良く断熱性能を上げる事が出来るのが窓の断熱仕様にこだわる事です。

熱の出入りは天井(屋根)や壁、床などよりも窓などの開口部からの出入りが1番多いのです。

熱の大部分は窓などの開口部を介して出入りしているので、窓の断熱性能を上げる事で家全体の断熱性能を上げる事が出来ます。

窓を高断熱仕様にする時に確認しておきたいポイントが以下の3点です。

◦窓ガラスの種類+中間層の気体
◦窓サッシの種類
◦スペーサーの種類

◦窓ガラスの種類

窓ガラスは大きく分けて4種類あります。単板ガラス→複層ガラス→Low-E複層ガラス→Low-Eトリプルガラスの順に断熱性能が良くなります。

ガラスとガラスの中空層に入れる気体は大きく分けて4種類あります。乾燥空気→アルゴンガス→クリプトンガス→真空の順に断熱性能が良くなります。

断熱性能にこだわるならLow-E複層ガラス(アルゴンガス入り)以上の性能にするのがおすすめです。

◦窓サッシの種類

窓サッシは大きく分けて4種類あります。アルミサッシ→アルミ樹脂複合サッシ→オール樹脂サッシ→木製サッシの順に断熱性能が良くなります。

断熱性能にこだわるならオール樹脂サッシ以上の性能にするのがおすすめです。

◦スペーサーの種類

スペーサーとはガラスとガラスの間のスペースをつくるためのパーツです。スペーサーは2種類あります。アルミスペーサー→樹脂スペーサーの順に断熱性能が良くなります。

断熱性能にこだわるなら樹脂スペーサーがおすすめです。

窓のサイズや設置数を変更する

当然、窓よりも壁の方が断熱性能は高いので単純に設置する窓のサイズを小さくしたり、設置数を減らす事でも断熱性能を上げる事が出来ます。

ただし、断熱性能にこだわりすぎて必要最低限の窓にすると通風や採光が悪くなる事もあるので設計士と相談しながら決めていきましょう。

玄関ドア・勝手口ドアを高断熱仕様にする

窓だけでなく玄関ドアおよび勝手口を高断熱仕様にする事でもUA値を下げる事が出来ます。

勝手口に関しては、断熱性能の事だけを考えるのであれば付けないのが一番です。玄関ドアはそうはいかないので、UA値を改善するにはU値(熱貫流率)の小さい商品を選ぶようにしましょう。

(※U値(熱貫流率)は熱の伝わりやすさを表す数値で、値が小さい程熱の移動を少なく抑える事が出来る=断熱性能が高いという見方が出来ます)

気密性能(C値)を改善する方法

気密性能(C値)を改善する方法として注目したいのが以下の5点です。

◦窓の構造+サイズや設置数
◦玄関ドアや勝手口ドア
◦配管・コンセント周りの施工処理
◦気密測定を行う事を伝えておく
◦C値の改善をサポートくれる業者に依頼

窓の構造やサイズ・設置数に注目する

C値を下げる為には窓の構造に注目しましょう。

日本の住宅で1番よく見かける窓は横方向に開閉する「引き違い窓」ですが、気密性に関してはあまり高くありません。

引き違い窓にしなくてもよい箇所には、ビジネスホテルでよく見かける「すべり出し窓」や、海外の住宅でよく見かける「開き窓」などにする事で気密性を確保しやすくなります。

開閉の必要がなく採光だけが目的の窓には、窓の種類の中で1番気密性能の高い「FIX窓(はめ殺し窓)」を採用する事でも気密性能は高くなります。

また、断熱性能同様に窓のサイズや設置数にも影響を受けるので単純にサイズ・設置数を減らす事でも気密性能を高める事が出来ます。

玄関ドアや勝手口ドアに注目

玄関ドアには親子ドアや片袖ドア、両袖ドア、両開きドアや玄関引き戸など様々な種類がありますが、気密性能を考えると片開きドアが1番気密性能を確保しやすいです。

勝手口は、閉めたままでも通風が出来る仕様が人気ですが通風機能も採光機能もない勝手口ドアの方が気密性能は確保しやすいです。ただ、こちらも断熱性能同様に付けない事が1番気密性を確保しやすいです。

配管・コンセント周りにも注目

画像の左半分は無気密で右半分には気密処理を行った配管・コンセント周りに、裏側から冷風を送った時の実験画像です。

4分経過後、無気密の左半分と気密処理を行った右半分とで明確な温度差が生じている事が分かります。断熱材として使用頻度の高いグラスウールなどの繊維系断熱材ではこの温度差が特に顕著に現れます。

1ヶ所あたりの配管・コンセント周りのすき間は小さくても、それが何か所も集まれば大きなすき間となります。

気密性能を高める為には、こうした細部に至るまで気密部材等を使い丁寧な気密施工が行われるか確認しておきましょう。

気密測定を行う事を事前に伝えておく

気密性能に自信を持っているハウスメーカーは気密測定を標準で行っているところもありますが、多くはありません。アイダ設計も気密測定を行っている訳ではないので、行う場合は自分で業者に依頼をかけて気密測定を行いましょう。

気密測定を行う場合はできるだけ早く伝えておいた方が良いです。

そうする事で気密性能にこだわっている施主である事が伝わりますし、営業から現場監督にも伝えてもらっておけば現場での作業がより丁寧になります。

どこの現場であっても始めから丁寧な仕事をしていると信じたいですが、第三者である気密測定業者から後々チェックされると思うとより丁寧になるのが心情です。

C値の改善をサポートくれる業者に依頼する

気密測定を外部に依頼する時にはC値の改善もサポートしてくれる業者にお願いをしましょう。

気密測定を行うタイミングは主に2回(断熱・気密工事が終わった後/竣工後)あり、ベストは2回測定を行う事です。

ただ1回につき5万円~10万円程度の費用がかかるので1回で済ませたい場合は気密工事が終わったタイミングで測定を行いましょう。

その方が、C値改善の手直しがやりやすいからです。

まとめ

アイダ設計の家が寒いのかを検証する為に、スタンダード商品「ブラーボ」の標準仕様での断熱性能や気密性能の確認、換気システム、UA値C値を改善する方法などをご紹介してきましたが如何だったでしょうか。

結論としては、アイダ設計の家は標準仕様でもZEH基準となる断熱性能を持っているので誰もが"寒い"と感じる程低くはありません。

ただし寒がりな方や断熱性能に拘る方であれば、断熱性能を上げるオプションを採用したり換気システムを熱交換器付き第一種換気システムに変更する等すればより快適な住環境となります。

アイダ設計の一番の特徴は提供する住宅の安さ、それでいて性能は価格以上でコスパの良い家を建てる事が出来ます。

コスパ重視の方におすすめできるハウスメーカーなので候補の1社に加えてみては如何でしょうか?素敵なマイホームづくりを応援しています。

この記事を書いた人
管理人
管理人

資格:宅地建物取引士(東京都宅地建物取引業協会認定)
経歴:不動産・住宅業界約10年
元ハウスメーカー勤務。現在は家づくり関連の情報サイトを複数手掛けるWEBディレクター
不動産・住宅業界10年以上の経験を活かし、注文住宅に関する"分からない事"を解消できるようにこのサイトを作成しました。