長期優良住宅のメリット・デメリット&おすすめハウスメーカー
長期優良住宅って言葉、最近よく耳にするけど何の事?
あ、あと長期優良住宅のメリットとデメリットも教えて!
はい♪
長期優良住宅とはそもそも何なのか?そして、長期優良住宅を建てた時に受けられるメリットとデメリットをわかりやすく説明していきますね。
注文住宅で家を建てるなら、この『長期優良住宅』を知っておかないと損をする事にもなりかねないので、しっかりお勉強しておきましょー!
オッケー。
知っておけば得をするかもって事だよね?
じゃあ真面目に聞こっと。
そもそも長期優良住宅とは?
そもそも『長期優良住宅』とはどういった住宅の事なのかを知っておきましょう。
長期優良住宅とは、長期間に渡って良好な状態で住み続ける事が出来る為の措置を、家本体や住宅設備に講じられた住宅の事を言います。
つまりは、下記にも記していますが長期優良住宅の認定制度の基準をクリアし、認定を受けている住宅の事を『長期優良住宅』と呼びます。
長期優良住宅法の施行
平成21年(2009年)6月4日に「長期優良住宅の普及の促進に関する法律」が施行されました。
国は住宅の長寿命化を促進する為に、一定の基準をクリアーした新築の住宅には税制面で優遇されるよう施しました。
既存の住宅を増築・改築する場合の認定制度は平成28年(2016年)4月1日より開始されました。
これを受け住宅業界でも、以前までは「つくっては壊す」のフロー消費型だったのですが、「いいものを作って、きちんと手入れをして、長く大切に使う」という、ストック型に転換をしました。
なぜ住宅の長寿命化が必要だったの?
今まで散々スクラップ&ビルドを繰り返してきたのに、割と最近になりストック型に転換をした理由には複数の要因があります。
成熟社会にふさわしい『豊かさ』が実感できていない為
日本の住宅は欧米に比べ寿命がとても短いとされています。住宅の資産価値も20~30年すればほとんど0になります。
欧米では住宅は「資産」として評価され続けます。
売却時に古い住宅が、買った時以上の値段で売れる事も珍しい話ではありません。
その為、住宅にかかる費用(住宅ローン)等が、投資の資本金として蓄積されていっている状況です。
日本では、価値が0に近づくものに対して何十年も住宅ローンを払い続けています。欧米と違い、住宅にかけたお金が蓄積ではなく浪費され続けてしまっているのです。
そのくせ家計にしめる住宅ローンの割合も重く、これでは生活の『ゆとり』や『豊かさ』が感じられません。
このような問題を打破する為には住宅の長寿命化が必要であり、長寿命化を促進する為に『長期優良住宅制度』が生まれました。
環境問題や廃棄物問題の深刻化
洞爺湖サミットでも主要な議題となった『環境問題』ですが、今世界的な規模で省エネ・エコな環境に優しい取り組みが様々行われています。
住宅の長寿命化もその一環で、長寿命化により資源の節約、そして廃棄物の減少に繋がります。
従来のスクラップ&ビルドでは、環境に優しいエコな住宅とは到底言えないので、住宅の長寿命化が必要だったのです。
今後一層の少子高齢化が進み、福祉負担が増大する為
今後はますます少子高齢が進むと予想されています。そうなると、福祉に対する負担も今よりも増えてきます。
住宅の長寿命化を進める事で、世代を超えて快適に利用ができる住宅が今以上に増えてきます。
自分達の子世代、孫世代では福祉負担が今よりも増えていると予想されますが、住宅にかかる負担は今よりも減らす為に長寿命化が必要なのです。
なるほどねっ!
今後の世の中をより良くするために住宅の長寿命化が必要で、それを促進するために『長期優良住宅』が生まれたんだね。
はいっ。まぁ、そのような感じです。
では続いて、長期優良住宅のメリットとデメリットの解説を行っていきます♪
長期優良住宅のメリット
長期優良住宅は国から『永い事安心して住む事が出来る家だよ』と認定を受けた住宅なので、メリットとしてはそのまま『安心して長く済む事が出来る』という事があります。
それに加えて税金面で優遇されるメリットもあります。
税金面で優遇されるメリットは『住宅ローン控除』『投資型減税』『不動産取得税』『登録免許税』『固定資産税』などがあります。
所得税の住宅ローン控除
住宅ローン控除とは、住宅ローンの残高に応じた金額が所得税から差し引かれ、還付される制度です。
長期優良住宅の場合、住宅ローン控除の控除対象借り入れ限度額に優遇があります。
一般住宅の控除対象借り入れ限度額が4000万円のところ、長期優良住宅の控除対象借り入れ限度額は5000万円です。
控除率は1%で10年間適用されるので、長期優良住宅の場合は10年間最大で500万円の控除額となります。
一般住宅 | 長期優良住宅 |
控除対象借り入れ限度額:4000万円 最大控除額は1年間で40万円 10年間で400万円 | 控除対象借り入れ限度額:5000万円 最大控除額は1年間で50万円 10年間で500万円 |
※令和元年(2019年)10月~令和2年(2020年)12月に居住を開始し、消費税率10%が適用された新築の場合は控除期間は13年間となります。
所得税の投資型減税
長期優良住宅の認定を受けるためにかかった性能強化費用(上限650万円)の10%がその年の所得税から控除できます。
最大控除額は65万円です。1年で控除しきれない場合は、翌年の所得税からも控除出来ます。
※現金購入の場合に利用可能。住宅ローン控除との併用は不可。
不動産所得税
土地や建物を買った時にかかる税金です。
課税標準額からの控除額が一般住宅の場合は1200万円ですが、長期優良住宅の場合は1300万円に拡大されます。
一般住宅 | 長期優良住宅 |
不動産取得税額 = (固定資産税評価額-1200万円)× 3% | 不動産取得税額 = (固定資産税評価額-1300万円)× 3% |
※令和2年(2020年)12月31日までに入居した場合
登録免許税
土地や建物を買った時に、所有権を登録しないといけないのですが、その登記手続きの際にかかる税金です。
一般住宅の場合は、不動産の価格に対して0.15%の税金がかかります。長期優良住宅の場合は、不動産の価格に対して0.1%の税金がかかります。
一般住宅 | 長期優良住宅 |
不動産の価格に対して0.15% | 不動産の価格に対して0.1% |
※令和2年(2020年)12月31日までに入居した場合
固定資産税
土地や建物などの固定資産を所有している時に毎年納付しないといけない税金です。
一般住宅の戸建ての場合は3年間、マンションの場合は5年間、固定資産税が2分の1に減額される措置があるのですが、長期優良住宅の場合は、戸建で5年間、マンションで7年間、各2年間ずつ2分の1に減額される期間が伸ばされています。
一般住宅 | 長期優良住宅 |
戸建て :3年間 マンション:5年間 | 戸建て :5年間 マンション:7年間 |
※令和2年(2020年)12月31日までに入居した場合
このように長期優良住宅を建てると様々な税金優遇のメリットが受けられます。
さらに長期優良住宅の場合は、住宅ローンでも金利優遇を受けられるというメリットもあります。
住宅ローンの金利優遇
長期優良住宅だと、フラット35Sやフラット50といった、好条件な住宅ローンの借り入れが可能です。
フラット35Sはフラット35の借入金利から10年間、0.25%引き下げられる金利プランです。
フラット50とは、最長50年の全期間固定金利で将来、住宅を売却することになった時に、住宅ローンを購入者に引き継ぐことができるプランです。
フラット35とフラット35Sではどの位の差が出る?
一般住宅が借入れ出来るフラット35と、長期優良住宅が借入れ出来るフラット35Sでは、返済額にどの位の差がでるのかシミュレーションしたいと思います。
・条件
借入額4000万円、35年返済、元利均等返済、ボーナス返済なし、金利1.15%で計算。
一般住宅(フラット35) | 長期優良住宅(フラット35S) |
借入額:4000万円 | 借入額:4000万円 |
金利:1.15%(全期間) | 金利:0.9%(当初10年間) 1.15%(11年目以降) |
毎月返済額:11.6万円 | 毎月返済額:11.2万円(当初10年間) 11.5万円(11年目以降) |
総返済額:4861万円 | 総返済額:4766万円 |
長期優良住宅のデメリット
ここまで長期優良住宅のメリットを紹介してきましたが、ここからは反対のデメリットとなる部分を紹介したいと思います。
申請するのにコストがかかる
認定を受けるために、行政へ支払う申請手数料が発生します。自分で申請を行う場合は、おおよそ5万円~6万円程度かかります。
ただ申請書類を用意するのは煩雑な為、多くの方はハウスメーカーに依頼をすると思います。その場合は、15万円~25万円程度の費用がかかります。
ハウスメーカーにより金額は異なりますので、必ず事前に確認をとりましょう。
建てるのに時間がかかる
申請をする事で、一般住宅に比べると数週間~1ヶ月ほど余計に時間がかかります。
ただし長期優良住宅の経験が豊富で、ノウハウも多く溜まっているハウスメーカーでしたら比較的スムーズに進めてくれます。
建てるのにコストがかかる
長期優良住宅の基準に合わせる形になるので、その分のコストがかかります。
ただし、商品によっては初めから長期優良住宅が標準装備であったりするので、そういった商品の場合はその限りではありません。
更に最近では、耐震性や断熱性等の性能が元々高いので、長期優良住宅仕様に変更しても、各段にコストが上がる。といった事も少なくなってきています。
建ててからもコストがかかる
長期優良住宅に適合されると、少なくとも10年に1度のペースで点検が必要になってきます。
定期的に点検を行い必要に応じて改修や設備の交換が必要です。一般住宅の場合は任意ですが、長期優良住宅はそうはいきません。
改修や設備の交換を怠った場合に、長期優良住宅の認定を取り消される可能性があるからです。
かかる費用は建物の状態により異なりますが、何もしない家よりかは確実にランニングコストが必要になってきます。
ほほぉー。これがメリットとデメリットかー
オッケー!とりあえず長期優良住宅のメリットとデメリットにはどういうものがあるのかは分かったよ。
はいっ♪
続きまして、長期優良住宅の認定を受けるにはどういった基準をクリアしなければいけないのかを説明していきますね。
それと長期優良住宅で貰える補助金のお話もしておきます。
はーい、おねがいしまーす!
車や時計、家電などを買う時には価格やデザイン、性能を比較すると思いますがマイホームを購入する時も"比較"する事が何より大切です。
同じ位の価格帯のハウスメーカーでも標準仕様での性能や設備のグレードは異なります。またデザインや保証内容も異なります。
その為、複数の会社からカタログを取り寄せ比較する必要があります。カタログには標準仕様でのスペック値や画像も豊富に載っているので分かりやすく比較が出来ます。
カタログ等を見て候補を4~5社程度まで絞った後は必ず相見積もりを行いましょう。
注文住宅には「定価」という概念がないので、複数社から見積もりを貰う事で始めて適正価格が見えてきますし、同じ条件で見積もりを貰う事でどこの会社が価格を抑えて建てる事が出来るのかが分かります。
play_circle 予算別のハウスメーカーのカタログはこちら長期優良住宅の認定基準
長期優良住宅の認定を受けるには、9つある設定基準をクリアしなければいけません。
9つの設定項目とその解説をしていきます。
劣化対策
数世代にわたり住宅の構造躯体が使用できること。(100年程度)
劣化対策等級3相当に加えて、床下及び小屋裏に点検口の設置。床下空間を一定の高さ(330mm以上)を確保すること。
耐震性
めったに起きない大きな地震に対しても、損傷のレベルの低減を図る事。
耐震等級を2級以上にするか、免振装置をつける必要があります。
維持管理・更新の容易性
構造躯体に比べると耐用年数が短い内装や設備について、維持管理(清掃・点検・補修・更新)が簡単に行えるような措置を行う事が必要です。
可変性
居住者のライフスタイルの変化等に応じて間取りの変更が可能な措置が講じられている事。
バリアフリー性
将来的にバリアフリー改修に対応できるように、必要なスペースを確保する事。
戸建の場合は、初めからバリアフリーにリフォームできるスペースがあるので適用なし。
省エネルギー性
必要な断熱性能等の省エネルギー性能が確保されている事。
省エネルギー対策等級4が取れるレベルが必要です。
居住環境
良好な景観の形成、その他の地域における居住環境の維持及び向上
に配慮されたものであること。
周りの住環境を壊すような景観になっていなければ大丈夫です。
住戸面積
良好な居住水準を確保するために必要な規模を有すること。
戸建ての場合75㎡以上、少なくとも一つのフロアの床面積が40㎡以上ある事が必要。
地域によっては55㎡以上に緩和されます。
維持保全計画
定期的な点検、補修等に関する計画が建設時から策定されている事。
少なくとも10年ごとに点検を実施する事が必要です。
長期優良住宅にする事で貰える補助金
長期優良住宅にする事によって貰える補助金があります。
地域型住宅グリーン化事業
一定の条件を満たした地域の中小工務店が長期優良住宅を新築で建てた場合に貰える補助金です。補助金の上限は110万円/戸です。
地域材の過半利用の場合に上限20万円が加算されます。三世代同居対応要件適合で上限30万円が加算されます。
補助金の募集期間は平成31年4月25日(木)~平成31年5月31日(金)です。
詳細はこちらでご確認下さい。地域型住宅グリーン化事業評価事務局
すまい給付金
すまい給付金は、引上げ後の消費税率が適用される住宅を取得する場合に貰える補助金です。
長期優良住宅でも引上げ後の消費税率が適用されている場合は貰う事が出来ます。
収入が一定以下等の条件があります。最大で50万円が補助金として受け取れます。
詳細はこちらでご確認下さい。すまい給付金
フゥー。一旦休憩です。
なるほどねー。いろいろ説明ありがとー!
いろいろ分かってはきたけど、結局僕は長期優良住宅の申請を出したほうが良いの?
メリットは嬉しいけど、デメリットもあるしなー。。
はい、その辺りも踏まえて、あと少し説明をしていきますね♪
長期優良住宅で得をする人
長期優良住宅にはメリットもあれば、デメリットもあります。
安全で末長く快適に暮らす事が出来るというメリットは住居者全員が同じように享受できるメリットですが、税金面の優遇ではその方の収入や住宅ローンの借入額などにより差があります。
またデメリットに関しても、時間が多少伸びる事をデメリットと感じない方もいますし、定期点検で悪い箇所をコストをかけ適宜改修を行う事を、安全面を考慮すればデメリットと捉えない事も出来ます。
その為、長期優良住宅適応の家であっても申請を出すか出さないかは、自分の状況を踏まえて検討をする事が必要です。
建てた家を子世代や孫世代にも引き継ぎたい。と思っている方は長期優良住宅の認定を受けた方が良いと思います。
いずれ建て替えを予定していたり、長く暮らす予定でなければ申請を出さなくても良いかなと個人的には思います。
コスト面に関しては、自分で計算をするのが面倒な場合はハウスメーカーに概要でも良いので、メリット時に受けられる金額と、デメリット時の必要コストを出して貰うのが良いと思います。
長期優良住宅を建てる時のおすすめハウスメーカー
長期優良住宅のデメリット部分でもある時間とコストがかかる点は、選ぶハウスメーカーによっては軽減できる部分でもあります。
長期優良住宅の経験が豊富でノウハウも多く溜まっているハウスメーカーなら、時間もコストも抑える事が出来、デメリットを極力減らす事が可能です。
逆に、あまりなれていない工務店等でしたら時間もコストも増える事になります。
その為、長期優良住宅を建てる時のハウスメーカー選びは慎重に行わなければなりません。
そこでおすすめしたいハウスメーカーの選び方は、長期優良住宅のカタログを複数社から集め比較・検討を行う事です。
長期優良住宅のカタログを出しているハウスメーカーでしたら、長期優良住宅の経験もノウハウも豊富なので安心して任せられます。
なるほどー。そっかー。
人によってメリットが大きいのか、デメリットの方が大きいと捉えるのか変わってくるんだね。
そうですね♪
メリット・デメリットそれぞれの具体的なコストを出すのはハウスメーカーに相談をして出すのが1番確実で早いですよ。
おっけー。
じゃあ、とりあえず長期優良住宅のカタログを集めて、その中から自分に合うハウスメーカーを探せばいいのかな。
はい。
長期優良住宅を検討しているのでしたら、それがおすすめのハウスメーカーの選び方です。
りょうかい!
では、早速みてみるよ!
長期優良住宅のカタログを集めてみよう!
長期優良住宅を検討中の方は長期優良住宅のカタログを集めてみましょう。
注文住宅で失敗しない為に大切な情報収集も出来ますし、家づくりに役立つ情報も得られ知識も蓄える事ができますよ。
現時点で家づくりに関しての具体的な希望や要望、条件などが決まっていない方はライフルホームズを利用するのがおすすです。
現時点で家づくりに関しての具体的な希望・要望、条件などがある程度固まっている方はHOME4U家づくりのとびらを利用するのがおすすめです。
HOME4U家づくりのとびらの場合は備考欄に建てる家への要望・希望を書き込めば、その条件に沿った間取りプランも貰う事が出来ます。
長期優良住宅希望+その他の希望や要望を書いて、あなたオリジナルの間取りプランを作ってもらうのがおすすめです。
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