【平屋】高齢者に優しい家・住みやすい家の間取り(取り入れたい設備は?)

家づくりを検討されている方の中には、子供が独立をして自分達夫婦だけの家を検討されている方や、高齢のご家族と一緒に住む予定の方、ご自身が高齢になった時を想定して家づくりを行う方などいらっしゃると思います。

そんな時に気になるのが、「高齢者に優しい家とはどんな家なんだろう?」「高齢者が住みやすい間取りとはどんな間取りだろう?」と言った事だと思います。

そこで当記事では、高齢者にとって優しい家にする為の大切なポイントや住みやすい家の参考間取り、取り入れたい設備なども併せてご紹介していきたいと思います。

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高齢者にとって優しい家・住みやすい家とは?

高齢者にとって優しい家・住みやすい家とはどのような家なのか。どういった点に気を付けて家づくりを行えば良いのかをご紹介していきたいと思います。

平屋

歳を重ねると腰痛を患ったり、足腰が弱ったりして階段を上るのが億劫になってきます。そうなるとせっかく二階をつくっても使わなくなってしまう可能性が出てきます。

また、階段を付ける事で転倒・転落事故のリスクも増えます。

平屋であればワンフロアで完結できるので生活が送りやすく、階段での事故も起こり得ません。

更に家事動線も良くなりやすいので毎日行う掃除も楽になります。家事は日々行う事なので、それが楽になるのは平屋の大きなメリットです。

二階建てに比べると延床面積を確保しにくいというデメリットはありますが、高齢者にとっては平屋の方が圧倒的に住みやすい家になります。

将来的にリフォームを考えている時も、平屋の方がリフォームがし易く費用も安く抑える事が出来ます。

メンテナンスの楽な家

家は経年劣化に伴って外壁や屋根、水回りの設備などを定期的にメンテナンスする必要があります。また庭がある場合、お庭のお手入れなども必要になってきます。

そうした手間を極力抑えられるように外壁や屋根、住宅設備はデザイン性よりも耐久性を優先して決めるようにしましょう。

また庭を設ける場合も落葉樹などを植えると落ち葉の掃除が大変になるので極力手入れの手間がかからない仕様のお庭にする方が住みやすい家になります。

買物や通院に不便を感じない立地

若い内は自転車でスーパーまで行って買い物を済ますのも訳ないですが、高齢者になるとそうもいきません。1回の買い出しで持てる量も少なくなるので自ずと回数も増えてきます。

また何かしらの疾患を抱えている場合は毎週のように通院する事もあり、病院の利用頻度も今以上に増えてきます。

そんな時にスーパーや病院が面倒な位置にあると、とても不便に感じてしまうので家を建てる立地も重要になります。

ちなみに2022年5月より75歳以上で一定の交通違反歴がある方は免許更新の際に実技講習が義務化されましたが、高齢者の免許証の自主返納も年々増えてきています。

その為、免許が無くても移動しやすい立地も視野に入れておいた方が良いかもしれません。

バリアフリー住宅

バリアフリー住宅とは障害(バリア)となるものを取り除き(フリー)小さな子供から高齢者まで「安心・安全・快適」に生活が送れるように配慮された住宅の事です。

バリアフリー住宅では「段差を無くす」「転倒を予防する」「温度差を無くす」この3つが重要なポイントとなります。

段差を無くす

段差につまずいて転んだりするリスクを回避する為と、車イスが必要になった時に段差があると移動が大変ですが、段差を無くす事で移動もスムーズになります。

介護をされる側も段差を無くす事で楽になりますが、介護者の負担を減らす事にも繋がります。

転倒を予防する

転倒を防いだり、歩行や動作をサポートする為に手すりを設置する事が大切です。

設置をする手すりには歩行を補助する役割の手すりと、動作を補助する役割の手すりの2種類があります。

玄関スロープや廊下に設置する手すりは主に歩行を補助する役割の手すりです。トレイや浴室に設置する手すりは立ったり座ったりの動作を補助する役割の手すりとなります。

温度差を無くす

家庭内の事故で特に気を付けておきたいのが高齢者のヒートショックです。実際に毎年多くの方がヒートショックが原因で亡くなられています。

温度差を無くす為には気密性・断熱性を高めると共に換気設備も適切に整える必要があります。

ヒートショックを防ぐだけではなく、家の寿命を縮める原因にもなる湿気や結露が発生がし難い環境となります。冷暖房効率も良くなるので光熱費を抑える事にも繋がります。

車イス生活など介護される事も視野に入れた間取り

将来的に車イスでの生活や介護が必要となる生活も視野に入れた設計がされている家であれば高齢者になった時も安心して過ごせます。

例えば車イスでの生活となれば玄関スロープは必要ですし、家内をスムーズに移動出来るように廊下の幅や居室入り口の幅を広めに確保しておく必要があります。

家族や介護士さんに介護をされる場合は、寝室がトイレや浴室から近いとどちらにとっても移動距離が短くてすむので負担を減らす事が出来ます。

浴室やトイレもある程度の広さがあればサポートもしやすくなります。

また寝室から屋外までの動線も考慮しておけば外出時やデイサービスを利用する時にも移動がスムーズになります。

【平屋】高齢者に優しい家の間取り

高齢者に優しい家、つまりバリアフリー設計で建てられた平屋の参考となる間取りを幾つかご紹介していきます。

外出のしやすさなども考えられた間取り

外出のしやすさなども考えられた平屋の間取り図
参照:fun’s life home

玄関ポートと玄関、玄関とホールの段差は全て無くし、広めの幅も確保されています。車イス一人でも出入りが楽な間取りです。

また玄関に大きな収納スペースを確保しており、室外用と室内用で車イスを分けている場合にも保管場所があり便利です。

居室までの距離は短く、通路は広め、床材は滑りづらい床材を採用、家の中の段差も無くしています。高齢者にとっても車イスの方にとっても優しい家の間取りです。

ライフスタイルの変化にも柔軟に対応できる家

ライフスタイルの変化にも柔軟に対応できる平屋の間取り図
参照:サンクスホーム

車椅子でもスムーズに移動の出来る玄関スロープを設置。玄関スロープはベビーカーや三輪車もスムーズに運べるので小さいお子さんのいる家庭でも便利です。

廊下を極力少なくする事で各居室の広さを確保。

玄関や水廻りの空間は広めに設計されており、将来のリフォームを考慮されたつくりとなっています。

バリアフリーと介護を考えた家

バリアフリーと介護を考えた平屋の間取り図
参照:ゼロホーム

DKから各居室や洗面所にも行ける間取りで移動が楽になります。寝室として使う洋室からも洗面所へ行けるようになっており、また広めのトイレも洋室内に設置されています。

寝室から直で広めの洗面室とトイレに行ける事で介護の時も楽に使える間取りです。

洋室には遊び心のあるウッドデッキも設置されており、天気の良い日にはウッドデッキでゆったりとした時間も楽しめるでしょう。

シンプル動線&バリアフリー設計

シンプル動線&バリアフリー設計がされた平屋の間取り図
参照:Daiwa House

LDKから全ての居室や水廻りへ行けるシンプルな間取りで動線も良いです。

洗面化粧台はカウンター脚部の形状を斜めにカットした車椅子対応型を採用。トイレも手すりやアームレストが設置されており、車イスで回転できる広さを確保。

キッチンも車イスのままでも使用可能な高さに調整されており、住宅設備もバリアフリーが意識されており住みやすい家になっています。

車イスのまま出入りできる納戸やウッドデッキのある家

車イスのままでも出入りできる納戸やウッドデッキのある平屋の間取り図
参照:朝日建設株式会社

玄関スロープから玄関、ホールまた家中の段差は解消されており、廊下の幅や各居室の入り口も広く確保されているので家中車イスでも楽に移動が出来ます。

6帖の広々納戸は車椅子で小回り可能な作りに、ウッドデッキも車イスのまま出る事ができ洗濯物を干したり、BBQを楽しんだり多目的に活躍できる広さです。

LDKに連なる和室の扉を開ける事でLDKとの一体感が生まれとても開放的なリビングになります。

住みやすい間取りにするにはシミュレーションが大切

バリアフリー設計である事は大前提として、住みやすい間取りにするには実際の生活の中での動きをリアルにシミュレーションしてみる事が大切です。

リアルにシミュレーションする事で動線の良い住みやすい間取りを作成しやすくなります。

例えば、車で家に帰ってきた所からイメージしてみます。車を駐車する向きは?車を降りてから玄関までの移動はスムーズ?玄関からリビングまでの移動は?

リビングからキッチンや浴室、トイレなどへはどうやって移動する?各居室を掃除する時に掃除道具はどこにしまっておく?取り出してから掃除はスムーズに出来る?

洗濯機はどこに置く?洗濯物を干して、しまって、畳む一連の動作は楽に出来る?朝起きて支度を済ませて出かけるまでの動線はスムーズか?etc…

普段の生活をリアルにシミュレーションする事で自分のライフスタイルにあった動線を確保する事が出来るでしょう。

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平屋のデメリット

平屋は階段が不要である事や、ワンフロアなので家族の気配も感じやすく何かあっても直ぐに気が付く。動線が良く生活が便利。光熱費やメンテナンス費を抑えられる。

耐震性能が高く間取りの自由度も高いなど多くのメリットがあり高齢者にとって住みやすいスタイルですが、デメリットも幾つかありますのでご紹介しておきます。

広い敷地が必要で固定資産税が高くなる

例えば、延床面積100㎡の家を建てたい時、二階建てであれば1階50㎡、2階50㎡と1階と2階に別けて作り、合わせて100㎡の家を建てる事も可能ですが、平屋の場合はワンフロアで100㎡を確保しなければいけません。

その為、二階建てに比べると平屋は広い敷地を必要とします。

また同じ延床面積であっても敷地は平屋の方が広く、基礎や屋根の面積も平屋の方が広くなります。そうなると資産価値が高いとみなされ固定資産税が高くなる傾向にあります。

建築費用が高くなりがち

同じ延床面積の二階建てと比べて平屋は基礎と屋根の広さが約2倍になります。基礎と屋根工事はコストがかかりやすい部分で、その施工面積が倍になるので建築費用は高くなりがちです。

ただし基礎が広く重心も低い事で地震や台風に強い家を作りやすく、強度の高い家を作りやすいので二階建てより設計自由度が高くなります。

プライバシーや防犯面で不安がある

全てが1階にあるので外からの視線を遮る物がなければプライバシーの確保が二階建てよりも難しく、庭に洗濯物を気軽に干せない等のデメリットがあります。

また同じ延床面積の場合、一階部分は二階建てよりも平屋の方が広くなるので侵入経路もその分増えてしまいます。

防犯面での不安も考慮して建てる地域の治安もチェックしておいたり、防犯設備も整えておくと安心出来ます。

周りの建物の影響を受けやすい

平屋は背が低いので周りの建物の影響を受けやすいです。

例えば、周辺に二階建てや三階建ての住宅が出来ると風通りや陽当たりに影響が出てきます。最近は太陽光パネルを搭載する家も増えましたが、設置する時には周辺の建物による影響が無いか相談しながら進めましょう。

水害時に注意

万が一水害が起こった時に二階部分が無いので家具や自分自身も二階に避難する事が出来ません。家全体が水浸しになってしまうリスクがあります。

浸水被害を避けるために出来だけ高地に建てるか、事前にハザードマップなどで水害の起こりそうな地域かどうかチェックして場所を選びましょう。

高齢者に優しい家にする為に取り入れたい間取りや設備

高齢者に優しい家・住みやすい家にする為に大切なポイントや取り入れたい間取りや採用したい設備などをご紹介していきます。

寝室の間取り

寝室は他の家族の目の届きやすい配置にする事が大切ですが、安全性を優先しすぎてプライバシーが損なわれないように注意しましょう。

また陽当たりや風通しが良く外の景色も眺められるようなリラックス出来る環境を整える事も大切です。

ちなみに寝具は布団だとほこりやハウスダストを吸いやすく床冷えもし、上げ下ろしが負担となったりするのでベッドの方がおすすめです。

ベッドに寝たままでもテレビや照明、エアコンなどが操作出来るようにリモコンをまとめて置けるような作りにしておくと便利です。緊急用の呼び出しブザーもあると安心出来ます。

車イスでの生活や介護の事も想定をして、ベッドの足元と両サイドには広めのスペースを確保しておきましょう。

寝室はトイレ、洗面所・浴室の近くが良い

高齢者向け住宅では寝室の近くにトイレや洗面所・浴室を配置するのが人気の間取りです。

高齢になるとトイレに行く回数が増えるので、トイレまでの距離が遠いと不便に感じてしまいます。夜中でも距離が近い事で安心出来ます。

洗面所・浴室も寝室の近くに配置する事で移動が楽な事は勿論、介護が必要となった時に介護者の負担も減らす事が出来ます。

寝室からトイレや洗面所・浴室に移動する動線には手すりを設置しておくと楽です。

浴室ではヒートショックに気を付ける必要があるので、家の気密性・断熱性能を上げるのは勿論の事、追加の設備として浴室暖房機や脱衣所ヒーターなどを設置して、温度差を無くすように心がけておきましょう。

LDKを中心とした間取り

高齢夫婦2人だけで住む時に多いのが、敢えてコンパクトな広さで作る平屋です。コンパクトに纏める事で動線が良くなり住みやすい家となります。

コンパクトな平屋で人気が高いのが廊下を作らずにLDKから直接他の居室やトイレ・浴室へ行ける間取りです。

廊下を作らない事でその分各部屋の広さを拡げる事が出来、また移動距離も短くする事が出来ます。

リビングに隣接する部屋の扉を開けっぱなしにする事で空間に一体感が生まれ開放感を得られると共に、リビングにいながら他の部屋の様子も確認ができるので何かあった時にも直ぐに気付けるといった安心感もあります。

車イス生活や介護が必要になった時にも部屋間の移動が短いので介護者の方にとっても負担の少ない間取りです。

浴室のポイント

浴室への出入り口は段差を無くして、介護される事も想定し広めに確保しておきましょう。段差を設けない事で脱衣所側へ水が侵入しやすくなりますので浸水を防ぐ為の排水機能を整えておく必要があります。

浴室の扉は、万が一浴室内で転倒をしてしまうと内開き扉では体につっかかって外から扉を開けづらくなるので引き戸か折れ戸がおすすめです。

浴室の床材にも気を付ける必要があります。浴室の床は水や石鹸、シャンプーなどで滑りやすくなるので水はけが良く滑りづらい床材を選びましょう。ヒートショックの心配もあるので床材の断熱性能も意識しておきましょう。

それと浴槽の高さにも注意しておく必要があります。

浴槽が高いと跨いで入る時に足を引っかけてしまう恐れがあるので浴槽の高さは低い方が安全です。一般的に普及している浴槽の高さは60cmm程度が殆どですが、高齢者の方には40cm程の高さの浴槽の方がお勧めできます。

そして浴室内の動作をサポートする為に手すりを設置しておきましょう。

浴槽へ入る時・出る時の動作をサポートする為の手すりと、洗い場や出入口付近にも手すりと設置しておくと使い勝手が良くなります。

脱衣・洗面所のポイント

画像:Takara standard

腰をかがめるのが辛いなど、年を重ねると一般的な高さの洗面台では使い勝手が悪くなる事があります。また車イスでの使用を考えた場合も一般的な高さでは高すぎて使いづらいという事もあります。

その為、座ったままでも楽に使う事のできる高さの洗面台を採用するのがオススメです。

車イスに座りながらや、椅子に腰かけながらの使用となるので通常の洗面台だと洗面ボウルの下は収納スペースとなっており、足を入れられるスペースが無いので使いづらくなります。

収納スペースの無い車イス対応の洗面台や、もしくは造作で足元にスペースのある洗面台を作るという手もあります。洗面台から収納スペースを削る分、収納スペースは別途確保しておきましょう。

それと洗面所の床は耐水性のある素材を使用する事が多いですがタイルなどの硬い素材だと転んだ時にケガをする心配もあるので、クッションフロアやコルクなど耐水性もあり柔らかめの素材の方がおすすめです。

また洋服を着脱する時や身体を拭いている時に転倒の恐れもあるので、座ったままでも作業ができるように椅子やベンチなども置いてあると安心です。

キッチンのポイント

画像:LIXIL

車イスでの使用を想定したり、座ったままでも使い勝手の良い高さのキッチンを採用するのが高齢者向き住宅ではお勧めです。

吊戸棚収納もスイッチ一つで昇降出来るタイプがあり、キッチンの換気扇のスイッチや吊戸棚収納スイッチも全て手の届く範囲に設置しておくと便利です。

キッチンの壁紙は防火性や難燃性も意識しつつ、油汚れなどの汚れがふき取りやすい材質にしておけば掃除が楽になります。

水栓に関しては蛇口ハンドルよりもレバーハンドルの水栓の方が良いでしょう。センサー式の自動水栓であれば奥まで手を伸ばす必要がないので、座ったまま使用するキッチンに特におすすめです。

それと高齢になると視力が悪くなり視界も狭くなりがちなので、調理の時の手元を明るくする照明を調理場の上に設置しておくとより使いやすくなります。

キッチンはガスコンロよりも火災や火傷の心配のないIHコンロの方がおすすめです。IHコンロの方が掃除もずっと楽です。

トイレのポイント

車イスでの使用や介護を受ける事も想定した上でトレイの設計を行うと高齢者にとって住みやすい家となります。

例えば段差を無くし扉は引き戸にして車イスでも通れる幅を確保しておく事や座ったり立ったりする動作を補助する為の手すりを設置したり、洗浄レバー式ではなく洗浄リモコン式の便器を導入し手の届きやすい場所にボタンやリモコンを設置するなどしましょう。

他にも蓋の開閉を自動で行ってくれる機能や自動洗浄機能が付いていると便利です。汚れの付きにくい材質であるかも大切です。

またトイレの床材は、排泄時思わぬ拍子で床を汚してしまう可能性もあるので抗菌性能の高い床材やシミになりにくい床材を採用するのがおすすめです。

玄関のポイント

玄関までの段差を解消するためにアプローチ部分にスロープを設置する間取りが人気です。スロープを設置する時には勾配の角度に注意が必要です。

基本の傾斜角度は10度と言われています。10度の傾きであれば介護者は楽に車イスを押せます。電動車イスの自走も問題ありません。手動の場合は、本人の体重や身体能力にもよりますが少し大変に感じる方もいらっしゃいます。

傾斜角度が5度位であれば一人でも問題なく自走できる角度ですが、傾斜を緩やかにすればするほどスロープの距離が長くなり設置面積が広く必要になる事は注意しておきましょう。

玄関ドアは引き戸、或いは引き違い戸が開閉の為のスペースを必要としないのでおすすめです。リモコン付きで自動で開閉できるタイプもあります。

そして玄関内の上がり框(玄関の土間と床の段差を調整する横木の事)を高くするとつまずく原因にもなるので低く設計した方が安全です。

車イスを想定する場合は上がり框を殆ど無くしてしまった方が使い勝手は良くなりますが、上がり框を無くすと玄関から砂やホコリが入って来やすくなるので注意が必要です。

また玄関に腰かけ用の椅子やベンチがあれば靴を履いたり脱いだりする時に楽になります。動作を補助する為の手すりも設置しておきましょう。

廊下のポイント

画像:NKプランニング株式会社

車イスでの移動も考慮して廊下を設ける場合は広めに設計しておきましょう。

車イスの種類によっても多少の幅は前後しますが85cm~90cm程の廊下幅を確保しておけば移動も楽になります。各部屋出入口も85cm~90cm程の幅を確保しておくのが望ましいです。

廊下に設置する照明のスイッチ類は車イスの高さに合わせて調整しておくと良いでしょう。

廊下の床材は滑りにくい事に加え、車イスで移動をしても傷が付きにくい素材や、万が一転んでもケガのし難いクッション性のある素材を選ぶのが良いです。

扉には引き戸を採用

一般的な住宅の扉では開き戸が採用される事が多いですが、高齢者にとって住みやすい家にするには引き戸の方が使い勝手が良くなります。

開閉の為のスペースを必要としないので車イスでも使いやすく、少しの力で開け閉めが出来ます。開けっ放しにしておいても扉が邪魔になる事もありません。

最近の引き戸にはゆっくり閉まる機能も付いていますので勢いよく閉まってケガをするような心配もありません。

ただし開き戸に比べると気密性が取り難い事や音が漏れやすい、扉収納部の壁面を使えない等のデメリットもあります。

フットライトや呼び出しブザーの設置

夜間トイレに行く時など、暗い中でも移動がしやすくなるように足元を照らしてくれるフットライトを設置しておくと安心です。

フットライトは人感センサー付きや暗くなると自動で点灯する機能の付いたタイプがおすすめです。

また万が一に備えて、浴室やトイレなどに緊急コール用の呼び出しブザーなども設置しておくとより安心出来ます。

高気密・高断熱仕様の家にする

ヒートショックの対策としてもそうですが、高気密・高断熱の家は冷暖房効率も良くなるので光熱費を抑える事が出来ます。また単純に快適性が各段に異なるので、住みやすい家にするなら高気密・高断熱仕様の家にする事が大切です。

断熱性能に関して

断熱性能は断熱性や省エネ性を表す「断熱等性能等級」の数値で判断をする事が出来ます。断熱等性能等級は以下の通りです。

等級7HEAT20 G3基準相当
(2022年10月新設)
等級6HEAT20 G2基準相当
(2022年10月新設)
等級5ZEH基準相当
(2022年4月新設)
等級4平成28年基準
等級3平成4年基準
等級2昭和55年基準
等級1

これから家づくりを行う方は等級5以上を目指したい所です。

高断熱の家にする為には天井や壁、床に使われる断熱材の種類や厚みも重要ですが、開口部の断熱性能を上げる事で比較的簡単に家全体の断熱性能を上げる事が出来ます。

まず注目したいのが窓の断熱性能です。

窓の断熱性能を上げる為にはガラスの種類、ガラスとガラスの中間層に入れる気体の種類、サッシの種類、スペーサーの種類に注目しましょう。

窓ガラスは単板ガラス<複層ガラス<Low-E複層ガラス<Low-Eトリプルガラスの順に断熱性能が高くなります。

ガラスとガラスの中空層に入れる気体は乾燥空気<アルゴンガス<クリプトンガス<真空の順に断熱性能が高くなります。

サッシはアルミサッシ<アルミ樹脂複合サッシ<オール樹脂サッシ<木製サッシの順に断熱性能が高くなります。

スペーサーはアルミスペーサー<樹脂スペーサーの順に断熱性能が高くなります。

おすすめは、Low-E複層ガラス(アルゴンガス入り)、オール樹脂サッシの樹脂スペーサーの窓です。

断熱性能だけで見るとLow-E複層ガラスよりもLow-Eトリプルガラスの方が優れていますが、断熱性能が良くなればなるほど価格も高くなってしまうので予算的に余裕があれば、更に上位を目指すのも良いと思います。

窓ガラスの次は玄関ドアや勝手口の断熱性能にも注目しましょう。

勝手口に関しては付けない事が断熱性能を上げる1番の近道となりますが、付ける場合にはU値(熱貫流率)の低いものを採用しましょう。

玄関ドアに関しても同様です。引き戸の中でU値の低い玄関ドアが断熱性能も高く使い勝手も良くておすすめです。

気密性能に関して

断熱性能だけを高めても気密性能が低ければあまり意味はありません。断熱性能と気密性能はセットで考えましょう。

断熱性能は家の仕様が完成した段階で計算によって求める事が出来ますが、気密性能は家がある程度出来上がってから現場で専用の機器を使って測定します。

つまり、家がある程度出来上がるまでは分からないのです。

その為、契約を結ぶ住宅会社の過去の施工実績の気密性能(C値)を参考にしましょう。C値は小さいほど気密性能が優れている事を表しているのですが、新築時であればC値0.7以下を目指したい所です。

過去に建てた家の平均C値が0.7以下の住宅会社であれば気密性能及び施工精度に関しても安心出来ます。

まとめ

どのような家が高齢者にとって優しい家であるのかの説明や高齢者が住みやすい平屋の間取り、平屋のデメリットや取り入れたい間取り・設備の紹介を行ってきましたが如何だったでしょうか。

最近ではシニア世代の方がセカンドライフを楽しむ為に家づくりを行ったり、若い方が将来の事を考えてバリアフリー設計で家を建てる方が増えてきています。

小さいお子さんから高齢者の方まで「安心・安全・快適」に暮らせる事を前提としたバリアフリー住宅は多くの方にお勧め出来ますが、住宅会社選びは慎重に行いましょう。

注文住宅では住宅会社によって結果が大きく変わってきます。

高齢者向きの住宅を検討している場合は高齢者向きの住宅、バリアフリー設計を得意としている住宅会社の中から候補を選ぶようにしましょう。

素敵なマイホームづくりを応援しています。

高齢者に優しい家を検討されている方はシニア向け住宅を得意としている住宅会社を候補に選びましょう。

輸入住宅を得意としている会社、ローコスト住宅を得意としている会社、ガレージハウスを得意としている会社など住宅会社毎に得意としている分野は異なります。

例えば、子育て世帯向けの住宅を得意としている会社にシニア向けの住宅を依頼しても期待以上の家は出来上がりません。

得意とする会社とそうでない会社とでは実績・ノウハウが異なるのでデザイン力から設計力・提案力など全てにおいて差が出ます。

高齢者に優しい家・住みやすい家を希望する時は必ずバリアフリー住宅の施工実績が豊富な住宅会社から選ぶようにしましょう。

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この記事を書いた人
管理人
管理人

資格:宅地建物取引士(東京都宅地建物取引業協会認定)
経歴:不動産・住宅業界約10年
元ハウスメーカー勤務。現在は家づくり関連の情報サイトを複数手掛けるWEBディレクター
不動産・住宅業界10年以上の経験を活かし、注文住宅に関する"分からない事"を解消できるようにこのサイトを作成しました。

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Posted by 管理人