【50坪~60坪】完全分離型二世帯住宅の間取りや費用相場

注文住宅で人気テーマの1つでもある二世帯住宅。その二世帯住宅の中でも最近は特に完全分離型の二世帯住宅が人気を集めています。

そこで当記事では、完全分離型二世帯住宅の主流となる50坪~60坪の広さの間取りを何棟かご紹介すると共にタイプ別の費用相場や、二世帯住宅を建てる時の注意点なども記載していきます。

目次
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そもそも完全分離型二世帯住宅とは?

二世帯住宅の間取りは大きく分けて3種類に分かれます。「完全同居型」「一部共有型」「完全分離型」

完全分離型二世帯住宅とは、二世帯住宅の3タイプある間取りの内の1タイプで、それぞれの間取りの特徴は以下の通りです。

完全同居型の特徴とメリット&デメリット

完全同居型の二世帯住宅のイラスト

完全同居型とは、寝室以外の居室や住宅設備を二世帯で共有する間取りの事です。その為、基本的には一世帯住宅と変わらない間取りとなります。

メリット&デメリット

メリット
・建築費やランキングコストが3タイプの中で1番安い。
・3タイプの中では1番狭い土地でも実現が可能。
・世帯間のコミュニケーションが最も取りやすい。
・将来的に一世帯になった時にもそのまま活用できる。

デメリット
・プライバシーの確保が難しい。
・何かと気を遣うので気疲れしやすい。
・世帯間でのトラブルが起こりやすい。
・世帯別で光熱費を把握するのは困難。

完全同居型二世帯住宅が向いている人

◦建築費用やその後の生活費など、費用を抑える事を最優先にされる方。
◦世帯間のコミュニケーションを重要視し、大人数でワイワイするのが好きな方。
◦プライベートな空間がなくても平気な方。
◦義父母と仲良くできる自信のある方。

一部共有型の特徴とメリット&デメリット

一部共有型の二世帯住宅のイラスト

一部共有型とは文字通り、住宅の一部を両世帯で共有するタイプの間取りの事です。

例えばお風呂を共有としたり、皆が集まるリビングを共有としたり、共有とする箇所は家族により様々ですが、特に人気が高いのは玄関のみを共有とする間取りです。

玄関のみを共有とし、玄関ホールからそのまま二階へ上がれる階段を設ける事が多く居住スペースは世帯毎に分かれます。完全分離型に近しいタイプです。

メリット&デメリット

メリット
・完全分離型よりは建築費やランニングコストを抑えられる。3タイプの中で中間にあたる。
・プライバシーを確保しつつ、コミュニケーションも取れるバランスの良い二世帯暮らしが送れる。

デメリット
・共有部分の使い方でトラブルが起こりやすい。
・玄関を共有とする場合、帰りが遅くなった時や朝早い時に気を遣う。

一部共有型二世帯住宅が向いている人

◦完全分離型よりは費用を抑えたい方。
◦世帯間である程度のコミュニケーションを大切にしたい方。
◦共有部の使い方で相手世帯に気を使いながら生活できる方。

完全分離型の特徴とメリット&デメリット

完全分離型の二世帯住宅のイラスト

完全分離型とは玄関から親世帯・子世帯、別々に設け両世帯が完全に独立したタイプの間取りの事です。

メリット
・両世帯間でのトラブルが1番起こりにくい間取。
・水道・ガス・電気のメーターを別々に取り付ける事も出来るので光熱費を世帯間で分ける事が可能。
・プライバシーの確保も出来て、気を遣わずに生活を過ごせるので精神的にも1番楽。
・自分達の居住スペースは自分達好みの間取りや内装デザインで建てる事も可能。間取りや内装デザインで揉める事がない。
・友人なども招待しやすい
・一世帯になった時に、空いた住居の売却や賃貸がしやすく資産に替えやすい。
・税制上の優遇措置が受けられる。(詳細は後述)

デメリット
・建築費用、ランニングコストが3タイプの中で1番高くなる。
・ある程度の広い敷地が必要。

完全分離型二世帯住宅が向いている人

◦義父母と上手にやれる自信のない方。
◦プライバシーをきちんと確保したい方。
◦世帯間のコミュニケーションは控えめにしたい方。
◦将来的に売却や賃貸も考えている方。

完全分離型は更に2タイプの間取りに分かれる

左右分離型の完全分離二世帯住宅
左右分離型
上下分離型の完全分離二世帯住宅
上下分離型

完全分離型の二世帯住宅は、それぞれの世帯を縦で区切った「左右分離型」と、1階と2階の横で区切った「上下分離型」の2種類に分かれます。

左右分離型のメリット&デメリット

メリット
・生活音トラブルを1番軽減できる間取り。
・賃貸や売却に特に向いている。

デメリット
・階段の上り下りが負担となる
・生活のし易さは、平屋のような暮らしのできる上下分離型には劣る。

上下分離型のメリット&デメリット

メリット
・1階は階段の上り下りが無いので負担がなく高齢になっても使いやすい。2階も生活の中での階段の上り下りは無いので暮らしが楽。
・ワンフロアで完結するので動線も良く、平屋のように生活がしやすい間取りが作りやすい。

デメリット
・2階の生活音が1階に響く。
・災害時に2階世帯は逃げにくい。

50坪~60坪の完全分離型二世帯住宅におすすめの間取り

主に延床面積が50坪,55坪,60坪の完全分離型の二世帯住宅の間取りをそれぞれ2棟、計6棟ご紹介致します。

参照元:suumo

①.2階LDKは仕切りをすれば居室を増やせる50坪の二世帯住宅

総タイル貼りで高級感のある外観が特徴的です。1階が親世帯(3LDK)、2階が子世帯(2LDK)の上下分離型の間取りです。

1階ホールに設けられたドアから両世帯を行き来する事が出来ます。1階は2階に比べLDKを少し小さくして、和室を作っています。

1階、2階共に水廻りが一ヶ所に纏められており家事動線も考えられた生活のしやすい間取りです。

本体費用2,500万円~2,999万円
(50.0万円~60.0万円/坪)
延床面積165.44㎡(50.0坪)
敷地面積148.77㎡(45.0坪)
工法2×4、2×6

②.W断熱で暑い・寒いの悩みも解消した約50坪の二世帯住宅

異なる色の玄関ドアがアクセントになっているおしゃれな外観です。1階が親世帯(2LDK)、2階が子世帯(3LDK)の上下分離型の間取りです。

2つの玄関の境に、両世帯を行き来できるように扉を設置。カギを掛ければプライバシーも守られるようになっています。

長野の厳しい冬を快適に過ごせるように外張W断熱で施工。高断熱で夏は涼しく、一年を通じて快適に過ごせる二世帯住宅です。

本体費用2,900万円(56.9万円/坪)
延床面積168.75㎡(51.0坪)
敷地面積223.80㎡(67.6坪)
工法その他(独自認定工法等)

③.庭を中心に建物がL字型に配置された55坪の二世帯住宅

L字型に配置され異なる色を用いたガルバリウム鋼板の外壁がシャープな印象を与える外観です。平屋と二階建て住宅の二世帯住宅です。

親世帯の暮らす平屋は2LDK、子世帯の暮らす二階建ては3LDKの間取りとなっています。

両世帯を繋ぐウッドデッキで子供の遊び場となっている中庭を眺めながらコミュニケーションも取れる、程よい距離感が保たれた二世帯住宅です。

本体費用3,450万円(62.5万円/坪)
延床面積182.68㎡(55.2坪)
敷地面積459.92㎡(139.1坪)
工法木造軸組

④.ゆとりあるLDKを確保した約55坪の二世帯住

1階の柱と2階出窓のモザイク調のレンガ貼りが重厚感を与える外観です。1階が親世帯(2LDK)、2階が子世帯(3LDK)の上下分離型の間取りです。

玄関ホールの扉から両世帯間を行き来できます。LDKに隣接する和室の引き戸を開放すれば、LDKと一繋ぎになり開放感溢れる空間に。

1階には大型の納戸、2階も各居室に大き目のクローゼットを設け、収納力も確保された二世帯住宅です。

本体費用3,000万円~3,499万円
(53.5万円~62.3万円/坪)
延床面積185.69㎡(56.1坪)
敷地面積
工法木質系プレハブ(木質パネル)

⑤.約60坪の広さをもつ二世帯住宅のアメリカンハウス

敢えて窓を左右非対称に設置する事でフォルムとも相まって個性的な外観です。1階が親世帯(1LDK)、2階が子世帯(3LDK)の上下分離型の間取りです。

子世帯の玄関には大型のシューズインクローゼットを設置。アウトドア用品や三輪車、ベビーカーなどもしまえる広さです。

3階に洋室を2部屋設ける事で、2階は広々としたLDKとWIC+収納を確保したゆとりのある洋室を配置しています。

本体費用3,912万円(66.2万円/坪)
延床面積195.42㎡(59.1坪)
敷地面積193.82㎡(58.6坪)
工法木造軸組

⑥.サーファーズハウス風の60坪の二世帯住宅

黒い塗り壁と天然木のコントラストが映えるおしゃれな外観です。左右分離型の二世帯住宅で間取り図左が子世帯(3LDK)、右が親世帯(4LDK)となっています。

内装にもこだわっており、天然石の造作テレビボードや木目のヘリンボーンのキッチンカウンター、そして子世帯の方は吹き抜けを採用しています。

高窓からの採光で明るく、天井が高くなったリビングが開放的で家族が自然と集まる癒しの空間となっています。

本体費用3,900万円~3,999万円
(64.7万円~66.3万円/坪)
延床面積199.56㎡(60.3坪)
敷地面積
工法木造軸組

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50坪~60坪の完全分離型二世帯住宅の間取りの目安

上記で紹介をした間取りを参考とすると

◦50坪の場合
①.親世帯(3LDK)+子世帯(2LDK)
②.親世帯(2LDK)+子世帯(3LDK)

◦55坪の場合
③.親世帯(2LDK)+子世帯(3LDK)
④.親世帯(2LDK)+子世帯(3LDK)

◦60坪の場合
⑤.親世帯(1LDK)+子世帯(3LDK)
⑥.親世帯(3LDK)+子世帯(4LDK)

延床面積が50坪~60坪あれば、完全分離型の二世帯住宅でも各居室広々とした空間を確保ができ、且つ各世帯共にゆとりのある2LDK~3LDKを構える事が出来ます。

50坪~60坪は何人暮らしに向いている広さ?

国土交通省が定める住生活の安定と向上を目的としたガイドライン「住生活基本計画」によると、居住面積の水準は下記の通りです。

4人世帯5人世帯6人世帯7人世帯
誘導居住面積水準125㎡
(37.8坪)
150㎡
(45.5坪)
175㎡
(52.9坪)
200㎡
(60.5坪)
最低居住面積水準50㎡
(15.1坪)
60㎡
(18.2坪)
70㎡
(21.2坪)
80㎡
(24.2坪)
※単身~3人世帯までの水準は省略しています。

◦誘導居住面積水準
豊かな住生活の実現の前提として多様なライフスタイルに対応するために必要と考えられる住宅の面積に関する水準

◦最低居住面積水準
健康で文化的な住生活を営む基礎として必要不可欠な住宅の面積に関する水準

住生活基本計画

50坪であれば6人世帯でも快適で余裕のある広さを確保できる水準です。60坪あれば7人世帯でも余裕のある広さとなります。

ただ「住生活基本計画」の水準はわりと余裕を持たせてあるので例えば、両親+夫婦+子供3人の7人世帯でも50坪の広さがあれば十分だったりもします。

50坪~60坪の完全分離型二世帯住宅の費用相場

50坪~60坪の完全分離型の二世帯住宅を建てる時の費用相場を見ていきたいと思います。

ただし費用は建てる地域や家の仕様、住宅会社によっても変わりますのであくまで参考程度にお考え下さい。

50坪~60坪の完全分離型は坪単価55万円~75万円程度

50坪~60坪の完全分離型二世帯住宅の坪単価は55万円~75万円程度である事が多いです。

完全分離型坪単価費用相場
50坪55万円~75万円2750万円~3750万円
55坪55万円~75万円3025万円~4125万円
60坪55万円~75万円3300万円~4500万円

ちなみに坪単価は延床面積が狭い程高く、広いほど安くなる傾向にあるので40坪台の完全分離型二世帯住宅であれば、坪単価60万円~80万円程度になります。

他2タイプの間取りと費用相場の比較

一般的に二世帯住宅は完全分離型>一部共有型>完全同居型の順で費用が高くなると言われています。

一部共有型の50坪~60坪の広さであれば坪単価は50万円~70万円程度である事が多いです。

完全同居型の50坪~60坪の広さであれば坪単価は45万円~65万円程度である事が多いです。

一部共有型坪単価費用相場
50坪50万円~70万円2500万円~3500万円
55坪50万円~70万円2750万円~3850万円
60坪50万円~70万円3000万円~4200万円
完全同居型坪単価費用相場
50坪45万円~65万円2250万円~3250万円
55坪45万円~65万円2475万円~3575万円
60坪45万円~65万円2700万円~3900万円
【タイプ別】建築費用の相場

◦完全分離型(50坪~60坪):2750万円~4500万円
◦一部共有型(50坪~60坪):2500万円~4200万円
◦完全同居型(50坪~60坪):2250万円~3900万円

完全分離型で費用を抑えるコツ

完全分離型は間取り・設備をそれぞれの世帯で独立して設けるので、他2タイプと比較をするとどうしても建築費用が高くなります。

ただ間取りや設計を工夫する事で安く抑える事も可能となりますので、建築費用を抑えるコツは幾つかご紹介したいと思います。

家の形状や間取りをシンプルにする

家の形状は凹凸の多い複雑な形状であればあるほど建築費用が高くなります。その為、シンプルなボックスタイプやキューブタイプの形状だと建築費用を安く抑えられます。

屋根に関してもシンプルな片流れ屋根、または切り妻屋根がコストを抑えやすいです。

間取りに関してもシンプルに部屋数を少なくすればするほど建築費用を安く抑える事ができます。

部屋数が少なければ、その分部屋を隔てる内壁の面積も減りますし、各部屋のドアや窓、エアコン等の設備、各部屋への配線作業も必要がなくなるので建築費用の削減が可能となります。

水廻りの部屋はまとめて配置

キッチンや浴室、トイレなどの水廻りの設備が分散していると配管工事が複雑になり建築費用が高くなってしまうので、なるべく水廻りの部屋は1箇所にまとめましょう。

仕上げ材を統一する

完全分離型は親世帯・子世帯で異なるデザインで建てられるのも魅力の1つですが、内壁材、床材、ドアなど内装に使用する材質や仕様を統一化した方が費用を抑えられます。

設備に関しても両世帯で統一した方が費用を抑えられます。

住宅設備のグレードを抑える

キッチンや浴室、洗面台、トイレなど最新の設備で揃えるとなるとどうしても費用が嵩んでしまいます。

その為、浴室にはお金をかけたいので他の設備は抑えよう。と言った風にお金をかける設備とかけない設備のメリハリを取るようにしましょう。

コスパの良い設備の選び方のコツとして、最新の住宅設備は多機能で利便性は高いですが、沢山の機能が付いていても本当に使いこなせるのか?本当に必要か?をまず考えましょう。

最新の家電やアイフォンなどと同様に多くの機能があっても使いこなす方でないとあまり意味がありません。

費用を抑えるのを優先させるならデザイン性も我慢するのが良いです。

機能面やデザイン性を優先させるのではなく、掃除がしやすい素材でつくられているか?傷が付きづらい加工がされているか?といった耐久面を優先して選ぶのが長い目で見た時にコスパの良い選び方となります。

窓や収納スペースの数を減らす

配置する窓の数を減らしたり、サイズを小さくする事でも費用を抑える事が出来ます。窓を減らす事で断熱性能を上げる事にも繋がります。

また収納スペースに関しても各部屋につくるよりも1ヶ所に大き目のウォークインクローゼットを1つ配置した方が費用を抑える事が出来ます。

ただし注意点として、収納スペースの数を減らしても収納できる容量は減らさないようにしましょう。

バルコニーや和室をつくらない

「バルコニーを作ったけど、あまり使っていない」という施主さんも多いです。

バルコニーを設置するのに当然費用もかかりますし、排水管の詰まりや水漏れのリスクなどメンテナンス費用もかかってきます。

費用を抑えるためにバルコニーをつくらないというのも1つの手です。

また和室は床の間や床柱などが必要となり他の居室に比べて建築費用が高いです。畳やふすま、障子のメンテナンス費用もかかってきます。

純和室ではなく畳の部屋でも良ければ、洋室に畳シートや畳マットを敷いて和室風の部屋に仕上げるのが費用を抑えるにはおすすめです。

施主支給する

施主自ら購入したパーツや建材などを取り付けてもらう事を「施主支給」と言います。住宅会社に任せるよりも施主支給した方が費用を安く抑えられる事が多いです。

例えば照明やカーテン・エアコン等は施主支給で費用を抑える事が出来ます。

他にもIHやガスコンロ、洗面台や宅配ボックスやポスト、大きな物で言えばカーポートなども施主支給にする事で費用を抑える事が出来ます。

ただし住宅会社によって施主支給できる物や出来ない物などがあるので事前に確認をとっておきましょう。

二世帯住宅で得する費用(税制の優遇措置)

二世帯住宅で一定の要件を満たせば受けられる税制の優遇措置がいくつかありますのでご紹介していきます。

固定資産税の軽減措置

「構造上の独立性」「利用上の独立性」を満たしている二世帯住宅であれば二戸分固定資産税の軽減措置が受けられます。

「構造上の独立性」「利用上の独立性」とは各世帯が専用の玄関・キッチン・トイレを持ち独立して生活が出来る事や、各世帯を繋ぐ扉は鍵付きの扉などで仕切られているなどです。

完全分離型の二世帯住宅であれば要件を満たしています。

固定資産税は「土地に対する固定資産税」と「建物に対する固定資産税」を合算した額となり、新築戸建ての場合それぞれに軽減措置が適応されます。

土地
・住宅一戸当たり200㎡までの部分(小規模住宅用地)は課税標準額が1/6に軽減されます。

建物
床面積50㎡以上240㎡以下の場合、住宅一戸当たり120㎡まで固定資産税が新築後3年間1/2に減額されます。

二戸分と認められた二世帯住宅であれば、土地に対する軽減措置は200㎡+200㎡=400㎡まで、建物に対しては120㎡+120㎡=240㎡までが軽減措置の対象となります。

不動産取得税の軽減措置

不動産取得税は固定資産税評価額×3%で算出されます。

床面積50㎡以上240㎡以下の場合、住宅一戸当たり1200万円の控除が可能です。二戸分と認められた二世帯住宅であれば、2400万円の控除が可能となります。

例えば、固定資産税評価額3000万円の場合、一世帯住宅であれば不動産取得税は(3000万円-1200万円)×3%=54万円となります。

完全分離型の二世帯住宅であれば、(3000万円-2400万円)×3%=18万円となります。

住宅ローンの減税

住宅ローン減税の対象となるかは登記内容によります。

二世帯住宅で行える登記には「単独登記」「共有登記」「区分登記」(完全分離型のみ)の3つがあり、「共有登記」もしくは「区分登記」であれば、両世帯それぞれで住宅ローン控除が受けられます。

相続時の軽減措置

二世帯住宅の場合、土地の相続時に330㎡までの評価額が80%軽減される小規模宅地等の特例を受ける事が出来ます。

ただし、完全分離型で登記可能な「区分登記」で登録をしている場合は対象外となりますので注意が必要です。

相続税の事を考えるのであれば、「親の単独登記」もしくは「共有登記」がおすすめです。(完全分離型は3つある登記の内、どの登記でも選択可能。)

完全分離型二世帯住宅の間取りの注意点

完全分離型の二世帯住宅は、他のタイプの間取りと比べてトラブルが起こりにくいので間取りに関する注意点は下記2点のみです。

寝室の真上の部屋

上下分離型の場合、寝室の真上の部屋の配置には特に気を付けておきましょう。

寝室の真上の部屋を子供部屋にした事で夜中でもTVやゲーム、音楽の音が煩くて寝れないといった事でトラブルが起こりやすいです。

子供部屋以外でも、日中働いている子世帯は入浴や掃除機・洗濯機を使うのが夜中になる事もよくあります。そうした世帯間の生活リズムのズレから起こる生活音が原因で揉める事が多いです。

1番無難な対策としては、水廻りの上には水廻りを、寝室の上には寝室を、同じ用途の居室を重ねるような間取りにする事で生活音トラブルを軽減する事が出来ます。

間取りを考慮すると共に、遮音・防音性の高い床を採用したり、遮音・防音マットなどを敷いたりするのも効果的です。

収納の確保と動線が考慮された間取り

50坪~60坪の広さであればそこまで難しい事ではないですが、40坪台で建てる左右分離型の二世帯住宅で特に注意しておきたいのが収納スペースの確保です。

左右分離型の場合、ワンフロアの面積は上下分離型よりも狭くなってしまいます。限られた広さだと収納スペースを削って居住スペースを増やしたくなる気持ちもありますが、収納力の足りない家での生活はとても不便でストレスが溜まります。

家づくりで後悔をした事ランキングの上位にも収納力不足は常に入ってきますので、荷物の量に合った収納力を確保しておきましょう。

また、家事・生活のしやすい動線を確保する事も大切です。

左右分離型は生活の中に階段の上り下りが発生するので、動線が考慮された間取りでないと生活が不便になってしまいます。

家づくりは間取りの良し悪しによって満足度が大きく変わってきますので、二世帯住宅を検討されている方は二世帯住宅の施工実績が豊富でノウハウのある住宅会社を選ぶようにしましょう。

二世帯住宅で大切なルール決め

親世帯も子世帯も両世帯にとってストレスフリーで、理想の二世帯暮らしを実現する為には事前の話し合いにより一定のルールを決めておく事が大切です。

では、具体的にどのようなルールを決めておけば良いのかご紹介していきます。

干渉に関するルール決め

二世帯住宅で子世帯が1番ストレスを感じるのが親世帯からの過干渉です。過干渉が原因で関係がこじれる事が多いので、事前の話合いで一定のルールを設けておきましょう。

育児や子育て、家事など特に口を出して欲しくない事は事前に伝えておく事が大切です。そうする事で両世帯間での干渉によるストレスは軽減できます。

義理の関係で言い難い時は、旦那さんor嫁さんに代弁して伝えてもらいましょう。

お金に関するルール決め

金銭が絡むと根深い問題に発展しやすいので、先に一定のルールを定めておきます。

まず確認しておきたいのが建築費用や外構費、住宅ローン、不動産取得税や固定資産税などの税金関係、各種保険、修繕・メンテナンス費用など家を建てるにあたって必要となる費用をどちらの世帯がどの程度負担をするのか決めておきましょう。

建てた後でどちらが払うかで揉めやすい光熱費や食費、生活日用品代や通信費などは、完全分離型であれば世帯毎に生活が独立しているのでそこまで問題とはなりません。

ただ、両世帯揃ってお出かけした時の外食費や旅行代などの支払いに関しては事前に決めておいた方が良いです。

プライバシーに関するルール決め

完全分離型であってもプライバシーに関するルール決めは事前に決めておいた方が良いです。例えば

「アポ無しでの訪問はNG。屋内インターホンやスマホ等で事前に連絡をする事」

「〇時以降の訪問や連絡は控える事」

「寝室や書斎は立ち入り禁止」

「宅配物は本人のでなければそのまま玄関に置いておく事」等

両世帯がストレスのかからない気持ちの良い距離感を保ちながら生活が送れるように各々の家族に合ったプライバシーに関するルール決めを事前にしておきましょう。

共有スペースの使い方に関するルール決め

完全分離型の場合、共有スペースは庭位なので庭の使い方に関するルールも事前に話し合っておいた方が良いです。

玄関のみを共有する一部共有型は、玄関の使い方。特に玄関に収納スペースを設ける場合、一方の世帯が収納スペースを占領してしまうと不満が出やすいので、事前に使い方の話し合いをしておきましょう。

ルールを定期的に見直すというルール決め

両世帯で話し合って決めたルールでも生活を送る中で不便に感じたり、追加した方が良いルールなども出て来ると思います。

そうした時には柔軟に対応ができるように半年に1度はルールの見直しの場を設ける等を決めておきましょう。

まとめ

50坪~60坪を中心に完全分離型二世帯住宅の間取りの紹介や、タイプ別での費用相場、費用を抑えるコツや建てる時の注意点などをご紹介してきましたが如何だったでしょうか。

二世帯住宅は、最も信頼できる親に育児や子育ての手伝いをして貰う事が容易になり、親世帯にとっても子世帯と一緒に暮らす事で老後の不安も少なくなります。

また単純に、二世帯で暮らす事で家族が増え会話も増えてワイワイ出来るので楽しい!と言った声もとても多いです。

抑えておきたいポイントさえ注意しておけば、両世帯にとって最高の二世帯住宅が建てられるでしょう。素敵なマイホームづくりを応援しています。

二世帯住宅におすすめのハウスメーカー

二世帯住宅ならではの問題点を解決しつつ、施主側の要望・希望も上手に落とし込んだ設計で建てるには豊富な施工実績と設計・技術力が必要不可欠です。

ストレスフリーな理想の二世帯暮らしを実現させるには二世帯住宅を得意としているハウスメーカーの中から候補を挙げて比較・検討するようにしましょう。

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この記事を書いた人
管理人
管理人

資格:宅地建物取引士(東京都宅地建物取引業協会認定)
経歴:不動産・住宅業界約10年
元ハウスメーカー勤務。現在は家づくり関連の情報サイトを複数手掛けるWEBディレクター
不動産・住宅業界10年以上の経験を活かし、注文住宅に関する"分からない事"を解消できるようにこのサイトを作成しました。