【アイ工務店のカビ問題】手抜きが原因?対策も紹介

ツイッターやインスタグラムなどSNSでプチ炎上?しているアイ工務店のカビ問題について、カビ被害を受けた施主さんのツイートを引用しながら、カビが発生した原因や有効な対策などを紹介していきたいと思います。

(※最初に断っておきたいこととして、私はアンチアイ工務店ではありません。かと言ってアイ工務店信者でもないです。中立の立場で起こった事をご紹介しています)

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アイ工務店のカビ問題とは

「アイ工務店 カビ」というキーワードでの検索が急上昇しています。

その理由が、アイ工務店で建てた複数の施主さんがツイッターでカビの被害を訴えたからです。また、そのツイッターでの騒動を受けて、日刊SPA!が記事にして取り上げた事が大きな理由です。

ツイッターでのカビ報告

ツイッターでカビの被害を受けた報告をされている方は、私が確認した限りでは3名の方がいらっしゃいました。

◦「アイ工務店建築記録」さん

建築中にカビを確認

◦「むのぼん」さん

引渡し3ヵ月後にカビ問題発覚

◦2022年6月、残工事ありのまま引渡し。
◦2022年10月、下屋部分の雨養生不備のため 床下合板にカビが発生していることが発覚。

紆余曲折あり、アイ工務店から以下の是正工事案が出されました。

・1階フロア全てを除去の上、除菌徐カビ
・新しい断熱材、合板、フロアの施工
・気密測定を施工前、施工後2回実施
・完工後にカビ菌検査
・期間は2~3ヶ月

翌日、是正工事案の範囲の追加がアイ工務店よりあり。

・フロアだけではなく壁と天井も撤去
・それに伴い、キッチン・ユニットバス・洗面台・トイレ・照明器具・建具など全て新品交換

是正工事の間は仮住まいが必要となりましたが、そちらもアイ工務店の方で手配してくれたようです。

◦「にゃんのおうち」さん

建築中にカビ問題発覚

◦2021年3月契約 6月着工予定のはずが2022年1月着工に変更
◦2022年1月着工⇒3月上棟⇒5月引渡し予定のはずが、設計中や施工中のミスが重なり延期。
◦そんな建築中の最中の7月末、床下にカビの発生を確認

紆余曲折あり、以下の是正工事を行う事になります。

・カビ処理はアイ工務店が費用負担
・床下の是正&断熱材の入れ替えの為、大工工事すべてやり直し
・床合板も床も全て張り替え
・壁もドア枠も撤去

◦2022年12月 無事引渡し完了。

インスタグラムでのカビ報告

◦「kaha_home」さん

建築中にカビ問題発覚

◦2021年9月30日契約
◦2021年5月21日上棟
◦着工開始から100日目、上棟7日目にカビの発生を確認

紆余曲折あり、以下の是正工事を行う事になります。

・床材を全て剥がして床下を乾燥。
・床材の全面貼り換え
・筋交いにも濡れた資材が使用されていたので筋交いも交換

◦2022年10月4日に引渡し完了。

日刊SPA!の記事

3000万円で建てたマイホームがカビだらけ「モラルなき注文住宅業者の闇」をノゾく

※記事内でアイ工務店とは断言されていません。「A工務店」となっています。

記事の要点

A工務店でカビ被害が発覚。工務店側に診断を依頼、だがなかなか非を認めない。交渉の末、ようやく工務店側がカビ除去の作業をする事で話がつく。

その他、A工務店に不満を抱える施主からの不満の声等が掲載されています。

カビの発生原因と対策

カビ発生リスクを抑える為に、カビの発生原因を確認していきたいと思います。

そもそもカビが繁殖するための要素として①酸素、②水、③栄養源、④温度、⑤湿度の条件が関係してきます。

栄養素というのは、木や紙、皮脂や虫の死骸、食べカス等々、カビはありとあらゆるものを栄養素とします。

そして温度25℃~30℃、湿度70%以上の環境をカビは好みます。

カビの発生リスクを抑える為には、こうしたカビが繁殖する為の要素を取り除く事が大切です。

アイ工務店で発生したカビ問題の主な原因

今回カビの被害にあった方々の主な原因は以下にあると推測されます。

三人の方に共通しているのが、基礎部分や木材が乾燥しきっていない状態で施工が進められた事です。

棟上げのタイミングで雨等が原因で木材が水分を含んでしまったままの状態で、それに気付かずにふさいでしまうとカビの発生リスクが高くなってしまいます。

カビへの対策 ~建築中の対策~

カビが繁殖するための5つの要素の内、①酸素と③栄養源を完全に断つのは難しいので、まずは②の水を断つ事を考えましょう。

基礎内に水が溜まったまま床材が敷かれたり、木材が雨に晒され水分を多く含んでしまうとカビが発生しやすい環境になってしまうので、木材が雨に濡れないよう養生する必要があります。

ここを徹底して行いましょう。

本来こうした処置は当たり前の話で、施工を行う会社が当然するべき事なのですが、残念ながら杜撰な作業を行う施工会社もありますので、契約の条件の1つに雨養生を徹底して行う事も入れておいて良いかもしれません。

養生が間に合わなかったり、養生が完璧でなく木材が濡れたとしても、しっかり乾燥させてから作業を進めれば問題ありません。

湿ったままの状態で床材を敷き詰めて蓋をしてしまうと、床下に湿気がこもり、それがカビの発生を誘発する事になります。

ちなみに基礎コンクリートは雨にぬれても強度自体には問題はありません。コンクリート打設中の雨だとセメントと水の割合に影響が出るのでよろしくないですが、打設後はそんなに問題ではないです。

強度にそんな影響はないですが、雨のすぐ後など濡れている状態のまま床材で蓋をしてしまうと湿気が溜まりやすくなるので、そこが問題となります。

また、雨の日に上棟を避けるのも対策の1つです。梅雨時期に着工がスタートするスケジュールは特に注意が必要です。

◦雨養生をしっかりと行う
◦雨天時の上棟を避ける

この2点を行う事でカビの発生リスクは抑えられます。

カビへの対策 ~竣工後の対策~

最近の木造住宅の多くはベタ基礎が採用されています。

ベタ基礎のメリットとして、「床下一面をコンクリートで覆う為、地面からの湿気を防いで、木材の腐食やシロアリ被害を防ぎやすい」と書かれている事が多いですが注意が必要です。

それは、コンクリート自体から発せられる水分です。

実は、基礎に使われる生コンクリートが完全に乾燥するまでには2年という長い期間が必要なのです。

住宅は着工から半年程度で完成するので、入居後約1年半位は基礎コンクリートが完全に乾いている状態ではないのです。

しかも床下断熱で、調湿性能の低い断熱材が床下一面に敷かれている場合、床下の空間はかなり湿度の高い状態となってしまいます。

その結果、一部表面に出ている木材(大引)に水分が集中して、木材の含水率が上昇しカビが発生してしまいます。

そうしたカビ被害に遭わないようにするには、床下換気が十分に行われる施工がされているかどうかを確認する必要があります。

ただ、施主さんの方でその換気システムで十分なのか、それとも不十分なのかを判断するのは難しいと思いますので、引渡し前に床下点検を専門業者にお願いするのが良いです。

もしくは床下換気扇の設置を業者にお願いする、なども有効です。

どちらにしろ費用はかかってしまいますが、早い段階でカビの発生リスクを抑える事が出来ます。

アイ工務店に限った話ではない

カビ被害のリスクは何もアイ工務店に限った話ではありません。

一昔前の住宅は、家中スキマだらけの気密性能がとても低い家だったので自然風が勝手に入ってきて湿気が溜まりにくい環境となっていました。

最近の住宅は気密性能が高まり、高気密になった事で自然換気力は下がり、計画換気による換気で湿気を溜めないような設計になっています。

ただ、施工不備やフィルターの詰まりなどで計画換気が上手に行われない時、結露が発生しやすくなったり湿気が溜まりやすくなりカビの発生リスクが高まります。

床下に発生するカビも、施工を行う会社次第でどこのハウスメーカーでも同じようなリスクはありますので、カビ対策は確認しておきましょう。

ちなみに、アイ工務店では今回のカビ問題のプチ炎上を受けてか、会社として「雨天時の上棟はNG」「しっかりとした雨養生をする」というルールが出来たそうです。

「にゃんのおうち」さんも、きちんとした是正が行われたのでアイ工務店にたいして恨みなども無いと語っています。

むしろ、こうしたプチ炎上が起きた後は、問題点を改善して慎重に家づくりを行うと思うので、より丁寧な施工が期待出来るのでは無いかなと思います。

そして施主さんに対する対応も、大手なのでスピーディーさに欠ける部分は見受けられましたが、むのぼんさんも「アイ工務店にアイはありました!」と書いてある通り、最終的には誠意ある対応を行ったかなと思います。

床下にカビが生えやすい土地かどうかもチェック

木材が濡れたまま施工が行われた等の施工云々の前に、床下にカビが生えやすい土地に家を建てようとしていないかチェックしておく事もカビ対策の1つです。

以下のような土地は床下のカビ発生リスクが高まります。

◦周囲の土地よりも低い土地
雨水が流れ込みやすくなるので床下が湿った状態になりやすいです。

◦隣家との距離が近い
日当たりや空気の流れが悪くなり湿気がたまりやすい環境になります。

◦昔、田んぼや沼地、河川などで無いか確認
地名に"さんずい"が含まれている漢字の地名は昔、池や沼だった可能性もあります。

元々の地名から名前が変わってしまっている地名もあるので注意して、古地図やハザードマップも確認しておきましょう。

その他、カビへの対策

◦湿気の多い風呂場や洗面室

家の中で特に湿気が多くなりがちなのがお風呂場と洗面室です。

お風呂場や洗面室にも24時間換気は付いていますが、換気を止めていたりフィルターがチリ・ホコリ等で汚れていると効果が下がります。

換気フィルターのこまめな掃除など、湿気が多くなりがちな場所は十分な換気を心がけましょう。

◦湿度の上がりすぎに注意

室内の湿度が上がり過ぎる時期は梅雨と冬場です。

梅雨はジメジメしている季節なので湿度が高くなりがちです。雨も多いので洗濯物を室内で干す機会も増えますが、そうすると一層室内の湿度は上がり、結露が発生しやすい環境へとなってしまいます。

梅雨時期に室内で洗濯物を干す時には除湿器などを使い、湿度の上昇を抑える事が大切です。

また、冬場は過度な加湿によって湿度が上がり過ぎる事があります。

カビは湿度70%以上の環境を好むのに対し、人間が室内で快適に過ごせる湿度の目安は40%~60%です。60%以下の湿度だとカビは発育が難しくなると言われています。

その為、湿度計を用意しておいて湿度40%~60%内で留めるように調整する事でカビの発生リスクを抑える事が出来ます。

◦内部結露に注意

内部結露とは壁の内側、目に付きにくい場所でおこる結露の事です。

通常であれば断熱材の中に湿気が入り込まないように気密シートや透湿防水シートを張るのですが、施工精度が低いと湿気対策が不十分になります。

壁面や床下の防湿層・通気層の確保が不十分であった場合にも内部結露が生じる恐れがあるため丁寧な施工が求められます。

ただ施主側から施工精度を確認するのは難しくもあるので、住宅性能表示制度を利用して第三者評価機関に正しく施工が行われているかチェックを行って貰うか

ホームインスペクター(住宅診断士)にホームインスペクション(住宅診断)を依頼するのも効果的です。

まとめ

アイ工務店で実際に起きたカビ問題や、気を付けておきたいカビ対策などについてご紹介してきました。

最初にお伝えした通り、私はアンチアイ工務店でもなければ、アイ工務店信者でもないのでそのままをお伝えしています。

ただ、家づくりに関するトラブルはどこのハウスメーカーでも大なり小なり起こっています。

性能の高さが人気の某工務店でも一時期、カビ問題が起きていましたが今ではきちんと対策も取られて、あまり耳にする事はなくなりました。

今回の件も、被害を受けた施主さんは大変お気の毒ですが、会社側はそうした問題を真摯に受け止め、きちんとした対策を徹底して行う事で良い方向に改善されていきます。

その為1つの事象だけを見て、その会社はこうだからと決めつけてしまい候補から外してしまうのは勿体ないと思います。

同じ会社であっても担当する支店や営業マンの違いで対応は大きく変わってきます。なので同じ会社で建てた方でも、満足している人もいれば不満を抱えている人もいます。

大切なのは、自分達家族に合った家を提案してくれるか?信頼できる担当かどうかなど、コミュニケーションをとってみて初めて分かる部分が多いので、家づくり最初の段階では出来るだけ多くの候補をあげて比較・検討する事が大切です。

素敵なマイホームづくりを応援しています。

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この記事を書いた人
管理人
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資格:宅地建物取引士(東京都宅地建物取引業協会認定)
経歴:不動産・住宅業界約10年
元ハウスメーカー勤務。現在は家づくり関連の情報サイトを複数手掛けるWEBディレクター
不動産・住宅業界10年以上の経験を活かし、注文住宅に関する"分からない事"を解消できるようにこのサイトを作成しました。