【要チェック】断熱等級7のメリットと注意すべきデメリット!

断熱等級7は2022年10月に新設された断熱等級で、現行では"等級7″が最高ランクの断熱等級となります。

断熱性能は住まいの快適性に直結するので、断熱等級7の新設以降"等級7″でマイホームを建てたいと希望される施主さんが増えてきています。

ただ、何事もメリットがあればデメリットも存在します。

建てた後になって後悔するような事がないように、事前に断熱等級7にする事で発生するデメリットを知っておきましょう。

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断熱等級7の家はどういう家?

メリット&デメリットの紹介の前に、そもそも断熱等級7の家とはどのような住宅の事なのかをサラッと説明していきたいと思います。

断熱等級とは、正式には「断熱等性能等級」と呼ばれ、住宅がどれ位の断熱性能があるのかを表す指標です。等級は1~7まであり、数字が大きい方が断熱性能が高い事を示しています。

断熱等級の概要と基準値

断熱等級1~7までの概要は以下の通りです。

等級概要施工年
等級7「HEAT20 G3」相当の断熱性能
(「H28 省エネ基準」より冷暖房にかかる一次エネルギー消費量を概ね40%削減可能なレベル)
2022年10月
等級6「HEAT20 G2」相当の断熱性能
(「H28 省エネ基準」より冷暖房にかかる一次エネルギー消費量を概ね30%削減可能なレベル)
2022年10月
等級5「ZEH水準」と同等の断熱性能
(「H28 省エネ基準」より冷暖房にかかる一次エネルギー消費量を概ね20%削減可能なレベル)
2022年4月
等級4「H28 省エネ基準」と同等の断熱性能1999年
等級3「H4 省エネ基準」と同等の断熱性能1992年
等級2「S55 省エネ基準」と同等の断熱性能1980年
等級1「S55 省エネ基準」未満1980年

HEAT20とは「一般社団法人 20年先を見据えた日本の高断熱住宅研究会」の略称で、より快適に暮らす為の断熱性能の基準値をG1,G2,G3の3段階で設定されています。

断熱等級は「Ua値」と「ηAC値」という2つの数値が基準を満たしているかどうかで決まります。

各断熱等級の基準値となる「Ua値」と「ηAC値」は以下の通りです。

断熱等級地域の区分
12345678
等級7
「HEAT20 G3」相当
Ua値0.20.20.20.230.260.260.26
ηAC値3.02.82.7
等級6
「HEAT20 G2」相当
Ua値0.280.280.280.340.460.460.46
ηAC値3.02.82.75.1
等級5
「ZEH水準」
Ua値0.40.40.50.60.60.60.6
ηAC値3.02.82.76.7
等級4
「H28 省エネ基準」
Ua値0.460.460.560.750.870.870.87
ηAC値3.02.82.76.7
等級3
「H4 省エネ基準」
Ua値0.540.541.041.251.541.541.81
ηAC値4.03.84.0
等級2
「S55 省エネ基準」
Ua値0.720.721.211.471.671.672.35
ηAC値
地域区分表

Ua値(外皮平均熱貫流率)

出典:株式会社Ace

Ua値とは「室内と外気の熱の出入りのしやすさの指標」です。

住宅の外皮(外気に触れる場所:壁や屋根、開口部(窓など))を介して熱がどれだけ出入りしやすいかを表した値なので小さい数値の方が断熱性能が高いという事を示します。

ηAC値(冷房期の平均日射熱取得率)

ηAC値とは「太陽日射の室内への入りやすさの指標」です。

住宅の外皮(外気に触れる場所:壁や屋根、開口部(窓など))から日射がどれだけ入りやすいかを示した値なので小さい数値の方が日射が入りにくく、冷房効果が高いという事を示します。

断熱等級7の家とは

断熱等級7の家とは、基準値となるUa値とηAC値を満たした住宅の事で断熱性能・省エネ性能が高いので快適でお財布にも優しい生活が送れます。

本州の殆どの地域が該当する5・6・7地域の場合は、断熱等級7を目指すにはUa値が0.26(W/㎡・k)以下である必要があります。

高気密・高断熱住宅のカタログ

断熱等級7にするメリット

断熱等級7の家を建てるメリットをご紹介していきます。

◦一年中快適に過ごせる
◦冷暖房費が安くなる
◦健康改善効果が期待出来る
◦ヒートショックリスクを軽減する
◦遮音性が高くなる
◦様々な税制優遇が受けられる可能性がある

一年中快適に過ごせる

断熱等級7の家は外皮を介して熱の出入りが少ない住宅です。その為、外気の影響を受けづらく室温が安定しやすいです。

全館空調システムと組み合わせる事でエアコン一台で家中の室温を快適に保ってくれます。

部屋毎での温度差も減らす事が出来るので、夏場に暑くなりやすい2階への移動の時や、冬場朝起きて寒い廊下に出る時など温度差で感じるストレスも軽減出来ます。

夏は涼しく、冬は暖かく過ごせるといった室内の快適性が上がる事が断熱等級7にする一番のメリットかなと個人的には思います。

電気代が安くなる

断熱等級7の家であれば設定温度をきつめにしなくても冷暖房効率が良いので冷房・暖房が効きます。

断熱性能が低い家に比べると冷暖房で使うパワーを抑える事が出来るので電気代も安くする事が出来ます。

画像は延床面積:102.50㎡(3LDK)、東京都内4人家族でのシミュレーション結果ですが、断熱等級4の家と比べた時に年間で27,679円も電気代が安くなっています。

勿論、電気料金は契約プランの種類や家の大きさ、使い方等諸条件により異なるので削減できる金額は異なりますが確実に安くはなります。

健康改善効果が期待出来る

近畿大学 岩前篤教授の資料によると、断熱性能が低い家から高い家へ越した事で健康改善効果も高くなっています。

効果が見られた理由は複合的な要素があると思いますが、その一つに高断熱住宅は高気密である事が多く、気密性の高さが関係していると思います。

高断熱・高気密の住宅は外気温の影響を受けづらく、高気密である事で計画換気が上手に行えるので表面結露が発生しにくい環境です。結露が発生しずらい事でカビの発生リスクも下がります。

カビが繁殖しなければカビを餌とするダニも増えにくくなります。

また、断熱性能が高い家は高性能フィルター付きの第一種換気システムを採用している事が多いです。

高性能フィルターでチリやホコリ、花粉やPM2.5などを防ぐので綺麗な空気を室内に取り込む事が出来ます。

カビ・ダニの発生リスクが下がる事や高性能フィルター付きの換気システムの効果もあり、断熱性能の高い家は健康改善効果が期待出来るのだと思います。

ヒートショックリスクを軽減する

ヒートショックとは急激な温度変化によって血圧が乱高下したり脈拍が変動する現象の事です。冬場に発生する事が多く、暖かい部屋から寒い脱衣所へ移動、その後入浴し再び体が暖められる事で起こり得ます。

ヒートショックが要因となる入浴中の推定死亡者数は交通事故で亡くなる方の3倍以上にも及びます。

断熱等級7の家であれば、部屋毎の温度差が小さくなるので温度変化が大きな原因となるヒートショックのリスクを抑える事が出来ます。

ご高齢の方がヒートショックが要因で亡くなられる事が多いので高齢の方がいるご家庭は勿論の事、将来の事を考えると断熱等級は高い家を建てる事をおすすめします。

遮音性が高くなる

断熱等級7の家は断熱材に厚みがあります。断熱材に厚みが出る事で遮音性が上がると共に、高気密である事が多いので隙間が少なく遮音性が高くなります。

外の騒音を防いでくれる事もそうですが、家の中の音を外に漏らさない効果もあるので音が原因となるご近所トラブルも起こりにくいです。

交通量の多い道路沿いに建てる場合や、小さい音でも起きてしまう方、大きな音で音楽を聴きたい方などおすすめです。

様々な税制優遇が受けられる可能性がある

長期優良住宅の認定基準の一つに断熱等級の項目があり等級5以上である事が求められます。

長期優良住宅の認定を受ける事で住宅ローンの控除枠の優遇や固定資産税の減税期間の延長、不動産所得税の減税、地震保険料の割引などが受けられます。

フラット35でも断熱等級5以上であれば低い金利プランを利用する事が可能となります。

断熱等級が高い=省エネ性能の優れた住宅は各自治体が行っている補助金・助成金の対象にもなりやすいのでお得に建てる事が出来る可能性が高いです。

注意しておきたい!断熱等級7にするデメリット

断熱等級7にするデメリットをご紹介いたします。後々後悔する事がないようにメリットと見比べて判断するようにしましょう。

◦建築費用が高くなる
◦暖房器具が制限される
◦室内の音が反響しやすい
◦空気が乾燥する
◦内部結露のリスクがある
◦換気設備のこまめな掃除やメンテナンスを忘れずに

建築費用が高くなる

断熱等級7にする為に、断熱材の厚みを増したり窓や玄関ドアの断熱仕様を高グレードにする必要があったり、高断熱住宅に適した換気システムの採用や高気密にする為の施工などで費用が高くなります。

ただ、断熱等級7にする事で税制優遇が受けられる可能性が広がる事や、住んでからかかる電気代が安くなる事で幾らかは相殺できます。

断熱等級4の家と比較した電気代は年間27,679円安くなるシミュレーション結果で、30年で考えた場合83万円も差が出ます。

お金には替えられない快適性が良くなる事や生涯コストも考慮して検討しましょう。

暖房器具が制限される

断熱等級7の家では(石油・ガス)ストーブや(石油・ガス)ファンヒーターの使用は控えた方が良いです。

これらの暖房器具は室内の酸素を消費して二酸化炭素と水蒸気を多量に排出します。

隙間風が入ってこない高気密住宅では、発生した多量の水蒸気が結露発生のリスクを高めますし、不完全燃焼により一酸化炭素等のガスが充満するリスクもあるため使用は控えた方が良いです。

ストーブの上でお餅が焼けない悲しさはありますが、断熱等級7の家であれば暖房はエアコンだけで十分です。

室内の音が反響しやすい

遮音性が高い一方で、音が外に逃げられないので室内の音が反響しやすいです。

反響音が気になるかどうかは個人差もありますが、気になりそうな方は遮音カーテンや防音カーペット、防音フローリング、吸音性の高いクロスなどを採用する事で音を吸収してくれます。

ベッドや洋服がしまわれているクローゼット、本棚やソファなど吸音性の高い家具を設置する事でも抑える事が出来ます。

空気が乾燥する

水蒸気を発生する暖房器具が使えない事や気密性能が高い事、常に室温が暖かく保たれている事などから冬場は特に空気が乾燥しがちです。

冬でも室内干しで洗濯物が乾きやすいというメリットもありますが、一応デメリットとしてご紹介しておきます。

ただしこちらのデメリットは加湿器を置く事で簡単に解決する事が出来ます。過度な加湿は結露の原因にもなりますので湿度40%~60%内で加湿を行いましょう。

内部結露のリスクがある

結露には「表面結露」と「内部結露」の2種類があります。高断熱高気密住宅は外気の影響を受けづらく、計画換気も効率的に働くので表面結露は発生しづらいです。

注意が必要なのが壁の内部(断熱材)などで起こる内部結露です。

暖められた室内の空気が、温度の低い壁内に侵入し断熱材などに湿気が滞留する事で結露が発生してしまいます。

結露が発生すると断熱材が本来の性能を発揮できなくなる他、結露がカビを発生させ構造躯体まで腐食させてしまう可能性もあります。

内部結露を防ぐ為には、室内から暖かく湿った空気が壁内に入り込まないように防湿シートを正しく貼ったり、壁内や床下、天井の通気層を適切に確保したり、断熱材を隙間なく充填したり等、適切な施工を行う事でリスクは軽減します。

その為、高断熱・高気密住宅の施工慣れしたハウスメーカーに依頼するようにしましょう。実績の多いハウスメーカーであればデメリットとなり得るポイントの対策に慣れています。

仕入れ価格を抑えられたり、余分な費用がかからないように効率化も図られているのでコストダウンにも繋がります。

換気設備のこまめな掃除やメンテナンスを忘れずに

断熱等級7の家は気密性も高い事が多く、気密性の高い家はすき間から勝手に風が入ってくる事も少ないので換気設備に不具合が起きた時に換気が不十分になりやすいです。

換気が不十分になると結露やカビ、シックハウスの発生リスクが上がります。

気密性の低い家に比べると高気密住宅は換気設備に不具合が起きた時のリスクが大きいので、こまめなフィルターのお掃除や交換、換気設備の定期点検などを忘れずに行う必要があります。

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断熱性能にこだわる時にチェックすべきポイント

家の断熱性は断熱材の施工方法によっても確保しやすい、しにくい等はありますが施主側で簡単に変更する事が難しい項目です。

その為、断熱性能をより高めたいと思った時には以下の4点をまずは確認してみましょう。

◦断熱材の厚み
◦窓の仕様
◦窓の数・サイズ
◦玄関ドア・勝手口の仕様

断熱材の厚み

住宅業界にいた頃、よく「どの断熱材が一番暖かいの?」等といった質問を受ける事がありましたが、硬質ウレタンフォームやフェノールフォームは熱伝導率が低いので断熱材としての性能は高いです。

ただ、暖かいかどうかは性能だけでなく厚みも重要になってきます。

薄く施工されたフェノールフォームよりも厚みのあるグラスウールの方が暖かいです。充填する厚み次第で暖かさは変わるので断熱性能を上げる時には断熱材をより厚く施工可能かどうかも確認しておきましょう。

窓の仕様

断熱性能にこだわる時に1番優先的に確認しておきたいのが窓の仕様です。他の施策に比べてコスパ良く家全体の断熱性能を上げる事が出来ます。

上の画像は家の外皮を介して熱が出入りする経路の割合を示しています。

夏は73%の熱が開口部から流入しています。冬は58%の熱が開口部から流出しています。(開口部とは窓、玄関ドア・勝手口など屋外に向かって開かれた部分)

開口部の中でも殆どは「窓」を介して熱が出入りしているので、窓の断熱性能を上げる事で家全体の断熱性能を上げる事が出来ます。

窓の断熱仕様を確認する時には次の3点をチェックしておきましょう。

窓ガラスの種類+中間層の気体の種類
窓サッシの種類
スペーサーの種類

窓ガラスの種類+中間層の気体の種類

窓ガラスの種類は大きく分けると4種類あり、「単板ガラス」→「複層ガラス」→「Low-E複層ガラス」→「Low-Eトリプルガラス」の順に断熱性能が良くなります。

ガラスとガラスの中空層に入れる気体の種類は大きく分けると4種類あり、「乾燥空気」→「アルゴンガス」→「クリプトンガス」→「真空」の順に断熱性能が良くなります。

断熱等級7の家は「Low-Eトリプルガラス(アルゴンガス入り)」の仕様になっている事が多いです。

窓サッシの種類

窓サッシの種類は大きく分けると4種類あり、「アルミサッシ」→「アルミ樹脂複合サッシ」→「オール樹脂サッシ」→「木製サッシ」の順に断熱性能が良くなります。

断熱等級7の家は「オール樹脂サッシ」の仕様になっている事が多いです。

断熱性能的には木製サッシの方が上ですが、コストがかかるので木製サッシはあまり採用されていません。デザインの相性が良いので輸入住宅を取り扱うハウスメーカー等では木製サッシが標準仕様のとこもあります。(スウェーデンハウス等)

スペーサーの種類

スペーサーの種類は2種類あり、「アルミスペーサー」→「樹脂スペーサー」の順に断熱性能が良くなります。

断熱等級7の家は「樹脂スペーサー」の仕様になっている事が多いです。

窓の数・サイズ

設置する窓の数やサイズを抑える事で熱の流入出を抑える事が出来るので断熱性能の向上が見込めます。

断熱等級7の家のデメリットで「建築費用が高くなる」と説明しましたが、こちらの施策であれば建築費用は下げつつも、断熱性能を上げる事が出来ます。

ただし、断熱性能にこだわりすぎて必要最低限の窓にすると圧迫感が強くなったり通風や採光が悪くなる事があるので設計士と相談しながら決めていきましょう。

玄関ドア・勝手口の仕様

こちらの施策も建築費用は下げつつ、断熱性能を上げる事が出来ます。

玄関ドアは豪華な見た目の親子ドアやおしゃれな見た目の片袖FIXドア等でなくシンプルな片開きドアが費用も安めでU値(熱貫流率)も小さく断熱性能を上げやすいです。

勝手口に関しては、断熱性能を考えるなら付けない方が良いです。付けるのであればU値の小さい商品を選ぶようにしましょう。

ロックしたままでも採風できる仕様の勝手口が人気ですが、断熱性能を第一優先で考えるのであれば外部と繋がる開口部は極力減らすのが良いです。

まとめ

最後にご紹介した断熱等級7のメリット&デメリットをまとめておきます。

断熱等級7のメリット

◦一年中快適に過ごせる
◦冷暖房費が安くなる
◦健康改善効果が期待出来る
◦ヒートショックリスクを軽減する
◦遮音性が高くなる
◦様々な税制優遇が受けられる可能性がある

断熱等級7のデメリット

◦建築費用が高くなる
◦暖房器具が制限される
◦室内の音が反響しやすい
◦空気が乾燥する
◦内部結露のリスクがある
◦換気設備のこまめな掃除やメンテナンスを忘れずに

高断熱仕様にするデメリットも幾つかありますが、それほど深刻なデメリットはなく受けられるメリットの方が大きいかなと個人的には思います。

ただし、正しい知識を持って丁寧な施工が行わなければ理論値であるUa値を実際は下回る断熱性能しか発揮出来なかったり、内部結露のリスクが高まる可能性もあります。

その為、高断熱・高気密住宅の実績が多く信頼できるハウスメーカーをじっくり選ぶようにしましょう。素敵なマイホームづくりを応援しています。

この記事を書いた人
管理人
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資格:宅地建物取引士(東京都宅地建物取引業協会認定)
経歴:不動産・住宅業界約10年
元ハウスメーカー勤務。現在は家づくり関連の情報サイトを複数手掛けるWEBディレクター
不動産・住宅業界10年以上の経験を活かし、注文住宅に関する"分からない事"を解消できるようにこのサイトを作成しました。