24時間換気システム 戸建てにおすすめなのは第一種?第三種?

2020-07-07

現在では戸建てのみならず全ての住宅に24時間換気システムの設置が義務付けられています。

注文住宅でお家を建てる時にも当然、24時間換気システムの設置が必要なのですが換気システムの種類には3種類ある為、どれが良いのかよく分からない。といった声を良く聞きます。

そこでこの記事では、24時間換気システムの種類やそれぞれもメリット&デメリットや、タイプ別戸建てに適しているのはどれ?といった選び方なども紹介していきたいと思います。

他にも、そもそも24時間換気システムって何なの?とか気になる電気代etc…24時間換気システムに関するあれこれを説明していきたいと思います。

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24時間換気システムとは?

その名の通り24時間つけっぱなしで換気するシステムの事です。常時換気システムと呼ぶ事もあります。

2003年に建築基準法が改正され戸建てを含む全ての住宅への24時間換気システムの設置が義務付けされました。

1時間に家の空気の半分を排気&給気しなければいけません。1時間で家の空気の半分なので、つまり2時間で家中の空気を全部入れ換える事ができる換気システムです。

義務化されたきっかけ

昔の住宅は気密性能が低かったので自然と換気が行われている状態で、換気不足による問題がそこまで顕著ではありませんでした。

ところが気密性能が高まってきた事により換気不足が起きるようになり、建材・部材に含まれる化学物質や湿気が室内にとどまりやすくなりました。

その結果、室内空気の汚染により居住者に健康被害をもたらすようになりました。これがいわゆる「シックハウス症候群」です。

高気密化による室内空気の汚染対策として24時間換気システムが義務化されました。

換気システムは大きく分けて3種類

画像参照:R+house井笠浅口

24時間換気システムの換気形式には大きく分けて3つのタイプがあります。

換気の種類給気排気特徴
第1種換気機械機械コストが高い。換気効果が良い
第2種換気機械自然手術室や無菌室などのクリーンルームで使用
第3種換気自然機械コストが安い。外気の影響を受けやすい

第1種換気の概要

給気口と排気口どちらにも換気扇を設置して強制的に換気を行う方法です。

第1種換気は集中ダクト方式とも呼ばれ、1か所から集中的に取り入れた空気をダクトを通じて各部屋の天井や壁に設置した給気口から空気を送り込みます。

排気の際は、各部屋に設けた排気口からダクトを通じ一か所に集められて排気が行われます。

第1種換気のメリット

給気も排気も換気扇を設置しており機械で行われていますので3つの換気形式の中で1番正確に安定した換気を行うことが出来ます。

第1種換気のみ熱交換換気システムにアップグレードする事が可能です。

熱交換換気システムとは、簡単に言うと外気の温度を室内の空気の温度に近付けて給気を行ってくれるシステムの事です。

冬場であれば室内の暖められた空気を排気する時に、外気の寒い気温と熱交換を行い空気を暖めます。夏も同じ事を行います。

排気する時の空気を上手に使い気温調整を行った上で室内に給気を行えるので省エネ効果もあります。

また外気の取り入れを1か所で集中的に行うので、そこに高性能フィルターを設置する事でチリやホコリ、花粉などを除去してからキレイな空気を家中に運ぶ事ができます。

・計画換気が可能
・熱交換が可能
・暖房費が安くなる
・家中いつも空気がキレイ

第1種換気のデメリット

大型の換気扇や、給気・排気用のダクトを設置しなければいけないので導入コストが他と比べると高額です。

ダクト内の清掃も定期的に行わなければいけません。ダクト内の清掃を個人で行う事は難しいので業者へお願いをする事になります。手間とお金がかかります。

またフィルターの掃除、交換も必要です。

フィルターの交換は個人でも行えますが、交換の度に新しいフィルターを購入して付け変えないといけないので手間とコストがかかります。

換気扇の電気代自体も他2種に比べると割高です。

・導入コストが高い
・メンテナンスの手間とコストがかかる
・電気代がかかる

第一種ダクトレス換気

最近では第1種換気のデメリットとなるダクトの導入コストやダクト内の清掃が不要となるダクトレスな換気システムを採用している住宅メーカーもあります。

ダクト有りと比べるとコストを抑える事が出来、ダクトが無いのでダクト内が汚れる心配もありません。

ただ居室毎に換気扇を設置する必要があるので40坪の住宅で6~8台程度設置する必要があります。

その為、フィルターの掃除や交換はやや手間になります。

第2種換気の概要

給気口だけに換気扇を設置し、排気口には換気扇を設置しない換気方法です。

排気よりも給気が強くなるので室内の圧力が高い正圧の状態を維持し続けます。排気は給気の力(正圧)を利用し、各換気口から自然に外へと押し出します。

室内の空気がいっぱいの状態なので汚れた空気が入ってくる事がありません。

その為、第2種換気は主に手術室や無菌室などで採用されており戸建てで使用する事はほぼありません。

第2種換気のメリット

屋外と比べ室内の圧力差が高くなるため、チリやホコリ含む汚れた空気が入りにくいです。その為、室内を常に清潔に保つ事が出来ます。

・室内を清潔に保つ

第2種換気のデメリット

室内が正圧状態になる事で湿気が壁の中へ侵入しやすくなってしまいます。また外気の温湿度環境の影響を非常に受けやすいです。

このようなデメリットのために住宅の換気方式にはあまり採用をされていません。

・湿気が壁の中へ侵入しやすい
・外気の影響を受けやすい

第3種換気の概要

排気口だけに換気扇を設置し、給気口には換気扇を設置しない換気方法です。

住居のどこかに自然吸気口を設け、1~2箇所程度換気扇を設けて排気する方法です。ダクトを設けて外部に排気する方法もあります。

第3種換気のメリット

第2種換気とは真逆の換気方法なので室内が負圧の状態になります。負圧の状態だと湿気が壁の中に入りにくいため壁内結露がおきにくいです。

第1種換気と比べると導入コストを抑える事が出来ます。電気代も第1種換気よりも抑える事が出来ます。

また非常にシンプルな作りになっているのでメンテナンス性も優れており手入れが簡単です。給気の時にダクトを使用しない為、衛生的にも経年劣化で悪くなり難いです。

・導入コストが安い
・電気代が安い
・メンテナンスが楽
・衛生面に優れている
・壁内結露がおきにくい

第3種換気のデメリット

熱交換システムが無いので外気の影響を受けやすいです。第1種換気に比べると省エネ性能は劣ります。

・外気の影響を受けやすい

換気方法別による特徴のまとめ

戸建てで第2種換気を採用する事は無いと思いますので第1種換気と第3種換気の特徴を表にまとめたいと思います。

導入コスト維持コスト電気代掃除やメンテナンスの手間花粉やPN2.5対策換気効率
第1種全熱ダクト式××××
第1種全熱ダクトレス
第3種ダクト式
第3種ダクトレス
◎…非常に優れている ○…優れている △…やや劣る ×…非常に劣る

戸建てにおける24時間換気システムの電気代

電気代は使用をする換気システムのメーカーや電力会社との契約形態、また家の大きさなどにもより変わりますが第1種換気+熱交換システムで月々1000円~2000円程度だと言われています。

第3種換気の場合は月々200円~600円程度だと言われています。

ただし電気代は使用状況により変わってくるのであくまで参考程度にお考え下さい。

第1種換気+熱交換システムと第3種換気を全く同じペースで使用した場合だと第1種換気+熱交換システムの方が電気代は高くなります。

恐らく倍以上の差になると思います。

冷暖房の電気代も考える必要性あり

換気システム自体の電気代は第3種換気に比べると第1種換気は換気扇の数も倍、プラス熱交換システムも加わるので第1種換気の方が高くなります。

ただし冷暖房代は第1種換気の方が熱交換システムによって室温が外気の影響をうけずらい為に抑える事が可能です。

電気代を比較する時は、換気システム自体の電気代+冷暖房代を合わせた住宅全体の電気代で考えるようにしましょう。

24時間換気システムの掃除方法

24時間換気システムは第1種でも第3種でもフィルターや給気口・排気口の掃除は必要です。

フィルターには一定期間使用をしたら新しいものに交換するタイプと、定期的に掃除をしながら使い続けるタイプがあります。

フィルターを掃除する頻度は月に1度や3カ月に1度、半年に1度で良いものetc..使用するフィルターによって違うので最初に確認をしておきましょう。

掃除自体はとても簡単です。

水洗いOKなフィルターであれば、ホコリを落として水でじゃぶじゃぶ洗い乾かせばOKです。

換気扇の羽も拭くなり、掃除機で吸うなりしてキレイにしましょう。

給気口・排気口が手の届かない天井や高い位置に設置する場合には掃除がやや面倒になるので注意が必要です。

問題はダクト

24時間換気システムの掃除・メンテナンスで問題となるのが第1種換気のダクト内です。

ダクト内の掃除およびメンテナンスは専門の業者に頼む事になります。業者を手配する面倒があります。またダクト内の為、目視での確認ができません。汚れていても気づかない怖さもあります。

コストもかかります。

メンテナンスが必要な期間やコストは使用するメーカー等によって変わってきますので具体的な数値は住宅メーカーに確認をとりましょう。

タイプ別!戸建てにおすすめな24時間換気システム

第1種換気にも第3種換気にもメリット&デメリットがあり特徴も異なる為、全戸建てに共通してコチラがおすすめ!という事はありません。

換気システムは建てる地域や自分の生活スタイルや優先させる事などから自分に合った換気方法を選ぶようにしましょう。

寒い地域に建てる方は第1種全熱ダクト式がおすすめ

第3種換気は自然給気なので外気の影響を受けやすいです。室温への影響も大きく暖房費の増大にもつながります。

第1種換気の熱交換システムにより、温度調節をしてから外気を室内に取り込みますので室温への影響が少なくてすみます。

アレルギー体質、花粉症の方は第1種ダクトレスがおすすめ

給気にフィルターを設置する事でチリやホコリ、花粉やPM2.5もブロックしてキレイな空気を室内に運んでくれます。

排気能力も高いので汚れた空気が室内にとどまる事もありません。室内は常にクリーンな空気で満たされます。

ダクトレスの方がダクト式よりも汚れた空気が給気させる心配が少ないです。

メンテナンスや掃除をきちんと行う方であればダクト式でも問題ありません。

お金に余裕のある方は第1種全熱ダクト式がおすすめ

導入コストもメンテナンス費用も1番高価で手間もかかりますが性能面では間違いありません。

もう少し導入コストやメンテナンス費用を抑えたいという方には第1種全熱ダクトレスもお勧めです。

気密性が高くない戸建ての場合は第1種換気がおすすめ

気密性が高くない戸建て(C値が高い戸建て)の場合は家の隙間から空気が出入りするため計画的に換気を行う事が難しいです。

その場合は給気・排気ともに換気扇を設け強制的に空気を入れ替える必要があります。

C値が1.5以上だったりする場合は第1種換気にした方が良いです。

反対に高気密住宅(C値1.0未満)であれば第3種換気で十分です。

コストを抑えたい方は第3種換気がおすすめ

導入コストもランニングコストも第1種換気よりも抑える事が出来ます。現在、戸建てで最も多く採用されているのが第3種換気です。

面倒臭がりの方は第3種換気がおすすめ

万が一機器の故障が起きた場合でも第3種換気は作りが非常にシンプルなので交換も簡単で安いです。

またメンテナンスも非常に楽です。ダクトを使用する場合でも排気にしか使わないので給気に影響はありません。

まとめ

24時間換気システムの説明や方法のメリット&デメリット。タイプ別で戸建てにおすすめの選び方なども紹介してきましたが如何でしたでしょうか。

具体的な導入コストは使用する機器のメーカーや家の大きさなどによって変わりますので、詳細な数値は住宅メーカーに尋ねましょう。

24時間換気システム以外の事でも、家づくりで分からない事は何でもプロにドンドン質問をする事をおすすめします。

正しい情報を得れば得るほど、注文住宅で失敗をする確率を減らせるからです。

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資料請求に関してはこちらの記事を参考にしてみて下さい。

家の資料請求したら起きる事と対処法

家族みんなでワイワイ話しあい、楽しみながら家づくりを進めていきましょう。

この記事を書いた人
管理人
管理人

資格:宅地建物取引士(東京都宅地建物取引業協会認定)
経歴:不動産・住宅業界約10年
元ハウスメーカー勤務。現在は家づくり関連の情報サイトを複数手掛けるWEBディレクター
不動産・住宅業界10年以上の経験を活かし、注文住宅に関する"分からない事"を解消できるようにこのサイトを作成しました。