【14坪,15坪,16坪】狭小地に建てる3階建て住宅の間取りや費用

都心部など地価の高いエリアでは狭小住宅を多く見かけますが、狭小地に建てる住宅で一番人気なのが延床面積を多く確保しやすい3階建てです。

14坪、15坪、16坪の土地に3階建て住宅を検討されている方も多くいますので、狭小地に建てる3階建て住宅の参考となる間取り例や費用の目安、気を付けるポイントなどご紹介していきます。

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敷地面積15坪前後の3階建ての間取り

一般的には狭小地と呼ばれる14坪,15坪,16坪の敷地に建つ3階建て住宅の間取りを幾つかご紹介すると共に、気を付けるポイントなども解説していきます。

間取り参照元:suumo

14坪/勾配天井を活かした開放感+趣味部屋も確保された3階建て

14坪/勾配天井を活かした開放感+趣味部屋も確保された3階建ての外観14坪/勾配天井を活かした開放感+趣味部屋も確保された3階建ての間取り図(1階)14坪/勾配天井を活かした開放感+趣味部屋も確保された3階建ての間取り図(2階)14坪/勾配天井を活かした開放感+趣味部屋も確保された3階建ての間取り図(3階)
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白一色でまとめられた外壁がシンプルさを、片流れ屋根がシャープさを演出するおしゃれな外観です。広くとった玄関にはスリット窓を配置し光を取り込む工夫がされています。

部屋数を多く確保出来るという3階建ての特徴を活かして1階には趣味専用の部屋を確保。階段下スペースをトイレにして限られた床面積を有効活用しています。

2階LDは天井の高さを上げる高天井を採用し開放的なLDになっています。3階は勾配天井を活かして天井高を確保。トップライト(天窓)から光を取り込み住宅密集地でも採光を確保できる作りになっています。

間取り3LDK
敷地面積47.33㎡(14.3坪)
延床面積74.67㎡(22.5坪)

15坪/インナーガレージ付きの3階建て

15坪/インナーガレージ付きの3階建ての外観15坪/インナーガレージ付きの3階建ての間取り図(1階)15坪/インナーガレージ付きの3階建ての間取り図(2階)15坪/インナーガレージ付きの3階建ての間取り図(3階)
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玄関ドアも白色に統一されたスクエア型のフォルムでシンプルモダンな印象を与える外観です。インナーガレージも作られています。

1階には主寝室としても利用できる洋室と洗面・浴室を配置。2階にはゆとりのある広さを確保したLDK。2つのバルコニーもあり開放感&採光もバッチリです。

3階にはセカンドリビングとしても活躍するフリースペースを確保。3階建ての高さを活かし眺望も楽しめます。

間取り3LDK
敷地面積50.26㎡(15.2坪)
延床面積104.85㎡(31.7坪)

15坪/対面式キッチンや充実の収納力で生活のしやすい3階建て

15坪/対面式キッチンや充実の収納力で生活のしやすい3階建ての外観15坪/対面式キッチンや充実の収納力で生活のしやすい3階建ての間取り図(1階)15坪/対面式キッチンや充実の収納力で生活のしやすい3階建ての間取り図(2階)15坪/対面式キッチンや充実の収納力で生活のしやすい3階建ての間取り図(3階)
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シックな色使いで落ち着いた印象を与えつつ、2階・3階のバルコニーが建物に奥行きを出し重厚感も感じられる外観デザインになっています。横づけで車1台停められる駐車スペースが確保されています。

1階には水回りと大型のWICを備えた洋室を確保。シューズクロークは玄関ホールに設けた収納で代用する事で空間を最大限に活用しています。

2階キッチンは料理をしながらリビングの様子も見渡せてコミュニケーションもとれる対面式キッチンを採用。3階は2部屋配置。各部屋の収納+玄関ホールにも収納スペースがあり使い勝手も良い間取りです。

間取り3LDK
敷地面積51.16㎡(15.4坪)
延床面積81.85㎡(24.7坪)

15坪/完全分離型の3階建て二世帯住宅

15坪/完全分離型の3階建て二世帯住宅の外観15坪/完全分離型の3階建て二世帯住宅の間取り図(1階)15坪/完全分離型の3階建て二世帯住宅の間取り図(2階)15坪/完全分離型の3階建て二世帯住宅の間取り図(3階)
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コンクリート風のサイディング外壁で美しい外観です。敷地面積15坪ながら玄関から別に設ける完全分離型の二世帯住宅を実現しています。

1階は親世帯の居住スペース。シンプルな間取りで動線もコンパクトにまとまっています。移動が楽でまるで平屋のような暮らしが出来ます。

2階、3階は子世帯の居住スペースに。限られた床面積を有効活用するように極力廊下を省いて設計された間取りとなっています。

間取り2LDK+LDK
敷地面積51.16㎡(15.4坪)
延床面積81.85㎡(24.7坪)

16坪/仕切りを減らし開放的な空間を目指した3階建て

16坪/仕切りを減らし開放的な空間を目指した3階建ての外観16坪/仕切りを減らし開放的な空間を目指した3階建ての間取り図(1階)16坪/仕切りを減らし開放的な空間を目指した3階建ての間取り図(2階)16坪/仕切りを減らし開放的な空間を目指した3階建ての間取り図(3階)
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プライバシー性を高めるために正面の窓は小さめの窓を配置。窓枠+外壁の色もダーク系でまとめてシックでモダンな外観です。ビルトインガレージも設けられています。

洗濯機置き場も兼ねる1階洗面室は室内干しも可能な広さで家事効率が上がります。2階は仕切りを極力減らして開放的なLDKを確保。パントリーや大型リビング収納も配置。

3階の洋室も仕切りを設けずに大きな一部屋として配置。パーテション等で区切れば2部屋としても利用可能に。壁を少なくする事で建築費用を抑えられるほか、開放的な空間を作る事も出来ます。

間取り2LDK
敷地面積53.52㎡(16.1坪)
延床面積101.02㎡(30.5坪)

狭小地に建てる3階建ての間取りの注意ポイント

高さ制限で希望する間取りで建てられない事もある

敷地には建てられる建物の高さを制限する規制(「絶対高さ制限」、「斜線制限」、「日陰制限」)があります。

用語の説明

・絶対高さ制限
建物の高さを制限。(第一種・第二種低層住居専用地域、田園住居地域で適用)

・斜線制限
斜線制限には「道路斜線制限」「北側斜線制限」「隣地斜線制限」があります。
「道路斜線制限」は道路側に面した建物の高さの制限です。
「北側斜線制限」は北側の道路側、もしくは北側の隣地側に面した建物の高さの制限です。
「隣地斜線制限」は隣地側に面した建物の高さの制限です。

・日陰制限
日照を確保する事を目的とした建物の高さの制限。

用途地域(用途に応じて13地域に分けられたエリア)の中でも絶対高さ制限が適用される、第一種・第二種低層住居専用地域、田園住居地域では建物の高さは10mもしくは12mまでと制限されています。

10mもしくは12mであれば一般的な3階建ては建てる事が出来ますが、他の高さの制限との兼ね合いによっては希望する間取りで建てられない事もあります。

◦制限がかかる用途地域

用途地域絶対高さ制限道路斜線制限北側斜線制限隣地斜線制限日陰制限
第1種低層住居専用地域
第2種低層住居専用地域
田園住居地域
軒の高さが7mを超える建物
または3階以上の建物
第1種中高層住居専用地域
第2種中高層住居専用地域
10mを超える建物
第1種住居地域
第2種住居地域
準住居地域
10mを超える建物
近隣商業地域
商業地域
準工業地域
工業地域
工業専用地域
近隣商業地域と準工業地域のみ
10mを超える建物
用途地域の指定のない地域軒の高さが7mを超える建物
または3階以上の建物
または10mを超える建物
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購入候補となる土地一つ一つにどのような制限があるのか等を個人で調べるのは中々大変なので、土地探しはハウスメーカー探しと同時進行で行い、制限等の確認はハウスメーカー側にして貰うのがおすすめです。

周囲の建物と距離が近くなる事で起こる弊害

15坪前後の狭小地に3階建てを建てる時、出来るだけ床面積を確保したいので建ぺい率・容積率いっぱいに建てる事が多いですが、そうすると周辺の建物との距離が近くなります。

距離が近づく事でプライバシー性が劣ったり、採光・風通しが悪くなったり、生活音が原因でトラブルに発展する可能性などがあります。

制限いっぱいに建てるのではなく余裕を持って建てる事でそうした問題を軽減する事は出来ますが、居住スペースがより狭くなってしまうので出来れば設計の工夫・アイデアで改善したいところです。

例えば、吹き抜けや天窓の設置、バルコニーを設ける事などで採光・風通しをよくする事ができます。バルコニーの壁を高くすればプライバシー性も高められます。

音問題に関しては遮音・防音性能の高い断熱材や外壁材が使用されているかなど確認しておきましょう。

収納力が不足しがち

狭小地に建てる3階建ての場合、生活スペースを出来るだけ確保しようとして収納力が不足してしまうケースがあります。

収納力が足りないと生活が不便になりますし、部屋に物が増えてより狭くなってしまいます。

ただし過度に設けても勿体ないので、家にある荷物の総量を把握して大きな荷物はサイズを測っておき、何をどこにしまうのか具体的に考えながら適量を設けていきましょう。

生活スペースを極力減らさずに収納力を確保する方法として、階段下空間を納戸にしたり、壁面収納を作ったり、床下収納を設けるのも効果的です。

ベッドの下や冷蔵庫の横、家具とのすき間などデッドスペースとなりそうな空間も収納ボックスを設置したりして無駄な空間を無くし有効活用しましょう。

動線が複雑になりやすい

3階建ては3フロアに分かれるので元々動線が複雑になりやすい構造ですが、狭小地に建てる場合はワンフロアあたりの床面積が限られてくるので間取りの難易度がより上がります。

間取りを決める段階から「洗濯機から衣類を取り出し干すスペースまでスムーズに移動出来るか?距離は近いか?洗濯物をたたんだりしまう場所は近くにあるか?」とか「起きてから出かけるまでの動線がスムーズか?」等、普段の生活の中での行動をリアルに想像しながら配置を決めていきましょう。

階段の寸法

階段の寸法は建築基準法で幅75cm以上×蹴上23cm以下×踏面15cm以上と決められています。ただしこの最低限の寸法のまま作ると角度が割と急である事や、足の踏み場が15cmしか無い事など、あまり使いやすい階段ではありません。

足を引っかけたり、踏み外したりする危険性もあるので小さいお子さんや老後の事を考えるとあまりおすすめ出来ませんが、狭小住宅の場合、生活スペースを少しでも確保する為に最小限の寸法で設計される事もあります。

3階建ては階段の使用頻度も増えるので、階段の寸法は住宅会社とよく相談をして決めていきましょう。

直通階段の設置&非常用進入口の設置

こちらは狭小地に限った事ではないですが、3階建ての場合は火災などの災害時にスムーズな避難が出来るように地上まで直通している直通階段の設置が義務付けられています。

2階から3階の階段の間に扉があったり、長い廊下を介さないといけなかったり、見通しがわるい階段などは設置NGとなります。

また、消防隊が消火活動や救助が出来るように非常用進入口を設置する義務もあります。

非常用進入口は、道路に面する側に直径1mの円が内接出来る大きさの開口部(縦・横1m以上の開口部)もしくは幅75cm以上・高さ120cm以上の開口部である必要があります。

消防隊が外から侵入出来る必要があるので格子などを付ける事は出来ず、ガラスの材質や厚みにも制限があります。

住宅の場合は窓を代替進入口として使用する事が多いです。

狭小地の3階建てにおすすめの間取り

ビルトインガレージ

狭小地だと駐車場のスペースを確保するのが難しい事も多いので、1階部分をガレージとするビルトインガレージはおすすめです。

ビルトインガレージには容積率の緩和措置があり、建物の延床面積の5分の1を上限に容積率の計算から除外する事が出来ます。

例えば延床面積100㎡の3階建ての場合、ガレージの床面積20㎡までは容積率の計算から除外出来ます。

3階建ては延床面積を確保しやすいので緩和措置の恩恵が大きく、緩和措置により居住面積が狭くなる問題も軽減出来るので人気の間取りとなっています。

廊下を極力減らす間取り

移動の為だけの廊下は極力減らして、その分を収納や生活スペースに充てた方が暮らしやすい間取りとなります。廊下を減らす事で動線がコンパクトになり家事効率がUPする効果も期待出来ます。

ただ、廊下をゼロにするのは難しいので廊下の壁に収納棚を設置したり、カウンターを設置しワークスペースとしたり、通路+αの機能を持たせるなどして限られた床面積を有効活用しましょう。

間仕切り(内壁)を減らす

部屋数が増えると内壁が増えるのでそのスペース分狭くなってしまいます。耐震構造上はずせない壁などもありますが、極力間仕切りを設けない方が床面積を有効活用出来ます。

2部屋欲しいという時も、大きな一部屋をつくり家具やパーテションで区切って利用した方が部屋のサイズも変えやすく、将来的に一部屋に戻す事も可能なのでライフスタイルの変化にも柔軟に対応が出来ます。

縦移動を減らす間取り

縦移動を減らす間取りとして、例えば1階に主寝室+トイレ、2階にLDKと水回り(キッチン・洗面室・トイレ)、3階に子供部屋+納戸などの配置であれば、夫婦の生活は1階、2階で完結できるので縦移動を減らす事が出来ます。

普段の生活は1階と2階だけで済むような間取りであれば階段移動も少なく出来るので高齢になった時も安心です。

3階建て住宅ではリビングを2階に配置する事が多いですが、玄関まで行く必要のない設備(スマホやモニターで開け閉めできる電気錠や宅配ボックス等)を整えておく事でも縦移動を減らす事が出来ます。

吹き抜け+リビング階段(スケルトン)

吹き抜けとリビング階段は相性が良く、圧倒的な開放感で空間を広く見せる事が出来ます。また、天窓や上階から取り込んだ光が届くので室内が明るくなります。風通しも良くなります。

また、リビング内に階段を設置する事で階段用のスペースを取られる事がないので床面積を有効に使う事が出来ます。その為、狭小地に建てる3階建てにもおすすめです。

階段をスケルトン階段にするのも開放感が上がり、空間がより広く感じられるので人気となっています。

◦注意ポイント

吹き抜け+リビング階段など空間を繋げる事で開放感は上がりますが、冷暖房効率は悪くなってしまいます。

それに3階建てはもともと、3階は日の光を取り込みやすい事や暖められた空気は上へ移動する事、1階は日の光を取り込みにくく冷えた空気は下へ移動する事などもありフロア事で温度差の出やすい構造です。

そうした事情から気密性と断熱性を特に気を付けておきたい住宅です。高気密・高断熱仕様の3階建てであれば冷暖房効率も良いので住環境も改善され電気代も抑える事が出来ます。

家全体の空調を一括で管理できる全館空調システムを導入するのもおすすめです。フロア毎の温度差が出にくくなります。

住宅の性能で暮らしやすさが変わるのは勿論ですが、14坪,15坪,16坪の狭小地に建てる3階建ての場合は設計の工夫やアイデアで住み心地は大きく変わってきます。

平屋・2階建てよりも熟練の技と知識と経験が求められるので3階建ての実績が豊富な住宅会社を選ぶようにしましょう。

3階建て住宅を得意とする会社

15坪の敷地に建てる3階建ての延床面積はどの位?

15坪の敷地に3階建てを建てる時にどの位の延床面積を確保できるのか解説していきます。

延床面積は建ぺい率・容積率で決まる

敷地には建てられる建物の床面積を制限する規制「建ぺい率」と「容積率」があります。

用語の説明

・建ぺい率
敷地面積に対する建築面積(建物を真上から見た時の面積)の割合

・容積率
敷地面積に対する延床面積の割合

建てられる3階建ての床面積は建ぺい率・容積率によって異なりますので、幾つかのパターンでシミュレーションしたいと思います。

ちなみに用途地域毎に定められた「建ぺい率」と「容積率」の比率は以下の通りです。

用途地域建ぺい率容積率
第1種低層住居専用地域30%・40%
50%・60%
50%・60%・80%
100%・150%・200%
第2種低層住居専用地域
田園住居地域
第1種中高層住居専用地域100%・150%・200%
300%・400%・500%
第2種中高層住居専用地域
第1種住居専用地域50%・60%
80%
第2種住居専用地域
準住居地域
準工業地域
近隣商業地域60%・80%
商業地域80%200%・300%・400%
500%・600%・700%
800%・900%・1000%
1100%・1200%・1300%
工業地域50%・60%100%・150%・200%
300%・400%
工業専用地域30%・40%
50%・60%
用途地域の指定のない地域30%・40%
50%・60%
70%
50%・80%・100%
200%・300%・400%

用途地域により異なりますが、住宅地の場合の建ぺい率は60%が多いので建ぺい率は60%と仮定し、容積率を100%、150%、200%の場合でシミュレーションを行います。

シミュレーション条件

敷地面積:15坪
建ぺい率:60%(上限建築面積9坪)
容積率:100%,150%,200%

・容積率100%
上限延床面積が15坪となるので、3階建てを建てるとするなら1階5坪,2階5坪,3階5坪の延床面積15坪の3階建てとなります。
もし2階建てであれば1階7.5坪,2階7.5坪の2階建てが建てられます。

・容積率150%
上限延床面積が22.5坪となるので、3階建てを建てるとするなら1階7.5坪,2階7.5坪,3階7.5坪の延床面積22.5坪の3階建てとなります。

・容積率200%
上限延床面積が30坪となるので、3階建てを建てるとするなら1階9坪,2階9坪,3階9坪の建ぺい率60%をフルに使った延床面積27坪の3階建てが建てられます。

容積率100%、敷地面積15坪に3階建て住宅を建てるとなると、どうしてもワンフロア辺りの床面積は小さくなってしまいます。その為、容積率が100%の場合は3階建てよりも2階建ての方が向いています。

狭小地に建てる3階建ての場合は、少なくても容積率150%以上ある敷地が望ましいです。

建ぺい率&容積率の緩和特例

建ぺい率と容積率は一定の条件を満たす事で緩和特例が適用され割り増しする事が出来ます。狭小地の場合はこうした特例を利用する事で確保できる延床面積が大きくなります。

建ぺい率の緩和の条件

◦建ぺい率が無制限(100%)になる条件

建ぺい率が80%の用途地域でかつ防火地域に指定されている区域内に耐火建築物を建てる時。

◦建ぺい率+10%の条件(両方満たせば+20%)

・建ぺい率が80%以外の用途地域でかつ防火地域に指定されている区域内に耐火建築物を建てる時、もしくは準防火地域に準耐火建築物を建てる時。

・特定行政庁が指定した角地に建てる時。

容積率の緩和の条件

◦ビルトインガレージ
建物の延床面積5分の1を上限に容積率の計算から除外出来ます。

◦地下室
建物の延床面積3分の1を上限に容積率の計算から除外出来ます。

◦ロフト・小屋裏
直下床面積の2分の1を上限に容積率の計算から除外出来ます。

◦特定道路までの距離
前面道路の幅員が6m以上12m未満で特定道路(15m以上の幅員を持つ道路)までの距離が70m以内の敷地は、前面道路の幅員と特定道路までの距離に応じて容積率が加算出来ます。

加算値=(12-W)×(70-L)/70
前面道路の幅員:W
特定道路までの距離:L

15坪の敷地に3階建てを建てる費用

15坪の敷地に3階建てを建てる時の費用の目安を求めていきます。

建築費用は割高

2階建てに比べると3階建ては建物の重さがあるのでより耐震性を高める必要があります。強固な耐震構造に加えて、資材や建材の量が増えるなどする為に建築費用は高くなります。

他にも、重量のせいで地盤改良工事で費用が多くかかったり、高い足場を組む必要があるので仮設費がかかったり、構造計算が必須なのでその為の費用が発生したりと建設費が嵩む要素が2階建てよりも多くあります。

また、通常の部屋よりも費用がかかる水回りの住宅設備などは延床面積の大小にかかわらず等しく必要なので、延床面積が小さい方が坪単価は高くなりやすいです。

そうした事情もあり、3階建ての坪単価は一般的なハウスメーカーで70万円~90万円、ハイクラス帯の大手HMであれば90万円~110万円位が目安となります。

総額のシミュレーション

注文住宅でかかる総額は「本体工事費用」+「付帯工事費用(別途工事費用)」+「諸費用」の合計金額となります。

用語の説明

・本体工事費用
建物本体を作る為の工事費用

・付帯工事費用
建物以外の工事にかかる費用(外構費や配管を敷地内へ引き込む費用など)

・諸費用
建物購入や住宅ローン借入時にかかる諸々の手数料

総額に対する内訳は本体工事費用(70%~80%)付帯工事費用(15%~20%)諸費用(5%~10%)が一般的です。仮に本体工事費用75%とした場合の本体工事費用+総額を求めます。

また延床面積は15坪に建てる3階建て住宅の平均的な延床面積20坪~30坪と想定してシミュレーションを行います。

シミュレーションの条件

坪単価:一般的なHM(70万円~90万円)/大手HM(90万円~110万円)
延床面積:20坪~30坪
本体工事費用:総額の75%

<一般的なハウスメーカーの場合>

延床面積本体工事費用総額
20坪(66.1㎡)1,400万円~1,800万円1,867万円~2,400万円
25坪(82.6㎡)1,750万円~2,250万円2,333万円~3,000万円
30坪(99.2㎡)2,100万円~2,700万円2,800万円~3,600万円
※坪単価は家の仕様や市況により変動しますので、あくまで参考程度にお考え下さい。

<ハイクラス帯の大手HMの場合>

延床面積本体工事費用総額
20坪(66.1㎡)1,800万円~2,200万円2,400万円~2,933万円
25坪(82.6㎡)2,250万円~2,750万円3,000万円~3,667万円
30坪(99.2㎡)2,700万円~3,300万円3,600万円~4,400万円
※坪単価は家の仕様や市況により変動しますので、あくまで参考程度にお考え下さい。

土地代のシミュレーション

土地代のシミュレーションとして土地価格相場が分かるサイト「土地代データ」を参照します。

3階建ては特に地価の高いエリアで人気が高いので、基準地価の高いTOP15を抜粋し、各都道府県で15坪の土地を取得した時の費用は以下の通りです。

順位都道府県坪単価平均15坪の場合
1位東京都358万7656円/坪5381万円
2位大阪府123万8083円/坪1857万円
3位神奈川県99万5314円/坪1493万円
4位京都府85万2867円/坪1279万円
5位愛知県74万0301円/坪1110万円
6位兵庫県52万8747円/坪793万円
7位福岡県50万2959円/坪754万円
8位埼玉県49万8032円/坪747万円
9位千葉県37万8659円/坪568万円
10位宮城県36万8063円/坪552万円
11位広島県35万5265円/坪533万円
12位沖縄県33万5883円/坪504万円
13位静岡県27万3750円/坪411万円
14位奈良県24万0194円/坪360万円
15位石川県22万4349円/坪337万円
スライド⇒出来ます。

※特に坪単価平均の高い東京都などは、一部のエリア(中央区/千代田区/港区/渋谷区/新宿区等)の坪単価が非常に高額なので全体の平均額がつり上がっています。

商業地域など全ての地域を対象とした平均額なので、戸建て用として購入する実際の土地平均坪単価はもう少し安くなると想定されます。

上記の表を元に考えると、例えばランキング5位の愛知県で一般的なハウスメーカーで15坪の敷地に延床面積25坪の3階建てを建てる時にかかる、土地代も含めた総額は約3443万円~4110万円となります。

土地代も含めると3階建ては割安に?

3階建ては延床面積を確保しやすいというメリットがありますので、同じ延床面積の住宅でも2階建てよりも3階建ての方が小さい土地ですみます。

シミュレーション条件

延床面積30坪を確保したい時に、3階建てであれば敷地面積15坪・2階建ての場合は敷地面積25坪を必要とし、土地の坪単価は70万円、建物の坪単価が3階建ては70万円、2階建ては60万円と仮定した場合。

・2階建ての土地代+建物代
(25坪×70万円)+(30坪×60万円)=3,500万円

・3階建ての土地代+建物代
(15坪×70万円)+(30坪×70万円)=3,150万円

上記のシミュレーションの場合、同じ延床面積でも3階建てにする事で350万円も安く建てる事が出来ます。

好立地の土地も候補に入れやすい

コンパクトな土地でも延床面積を確保しやすいので土地代を抑える事が出来ます。その為、本来であれば手の出せない駅近など好立地の土地も候補に入れやすくなるのも3階建てのメリットの一つです。

狭小地の3階建ても得意とするHM

敷地面積15坪前後の狭小地に建てる3階建ても得意としているハウスメーカーを何社かご紹介致します。

アキュラホーム

アキュラホームはコストパフォーマンスの高さで人気があり、全国の住宅メーカー・工務店・設計事務所の人気会社ランキングNo,1にも選ばれた事もあるハウスメーカーです。(2023年4月~30日:LIFULL HOME’S調べ)

3階建て住宅も得意としており、敷地を最大限に活用する空間設計、東京大学と共同開発した高強度な耐力壁「ストロングウォール」で実現する高い耐震性

建築後も容易に間取り変更が出来るSI設計、中間マージンカットによりお求めやすい価格の実現など魅力的な3階建て暮らしの叶えてくれます。

アキュラホームの3階建て住宅のカタログはコチラから

タマホーム

タマホームは「品質も、価格も、叶う家。」をキャッチコピーに掲げ、良コスパで人気の高いハウスメーカーです。2022年度の注文住宅新設着工棟数全国3位に輝いています。

標準仕様で長期優良住宅の認定基準を満たしており、都市部狭小地や2世帯、店舗併用など様々な使い方に対応できる3階建て住宅「木望の家」を取り扱っています。

自由設計で納得の家づくりを行ってくれますが、残念ながら省エネ地域区分1,2,3,4地域(主に寒冷地)では取り扱っておらず5,6,7地域のみ対象の商品です。

一条工務店

「家は、性能。」のキャッチコピー通り、省エネ8冠・創エネ5冠など性能の高さが魅力のハウスメーカーです。住宅展示場の出展棟数No.1で、モデルハウスの仕様がほぼ標準仕様なので完成イメージを掴みやすいという特徴もあります。

自社グループ工場での開発・生産も行っており住宅設備の多くがオリジナル製品で賄われコストパフォーマンスの高さも評判です。

高気密・高断熱に加えて、生活スペースのほぼ100%をカバーする床暖房+熱交換換気システム「ロスガード90」が標準仕様となっているので快適な3階建て住宅を建てる事が出来ます。

人気ハウスメーカーの3階建て住宅のカタログはコチラから
※地域やタイミングにより候補に出ないHMもあります。

住友林業

住友林業は、質の高い自然素材を使った家づくりなど木へのこだわりと、木材を活かした優れたデザイン×高い技術力を持ったハウスメーカーです。

優れた耐震性を実現するビッグフレーム構法(BF構法)の特徴を活かして、2階・3階と大きくオーバーハングさせた外観や開放的な室内空間、大開口窓など自由度の高さも特徴です。

一邸、一邸、理想の住まいを実現する為に専属のプロジェクトチームを結成して家づくりを徹底的にサポートしてくれるので住み心地や外観・内観デザインへの設計満足度が97.9%ととても高い評価を得ています。

積水ハウス

積水ハウスは、確かな「技術力」と「施工力」で高い性能と設計自由度があり、土地の環境や家族構成、ライフスタイルに合わせて住宅を提案してくれます。

特に「邸別自由設計」という考え方にこだわっており、工場へのオーダーからお客様の邸名で行い、家づくりの窓口となるマネージャーや設計士、現場監督、インテリアや外構に特化したデザインスタッフも加えた"ワンチーム"を一邸ごとに構築します。

3階建て住宅は木造・鉄骨どちらも対応しており独自の構法と高い先進技術で一人一人のニーズに沿ったマイホームを実現してくれます。

まとめ

14坪、15坪、16坪に建てる3階建ての参考となる間取り例や気を付けておきたいポイント、費用の目安などを紹介してきました。

3階建てであれば狭小地でも延床面積および部屋数を確保しやすいので地価の高い都心部などでは特におすすめの住宅スタイルです。

ただし3フロアある事で動線が複雑になりやすく、設計の良し悪しで3階建て住宅への満足度は大きく変わってきます。

「自分達のライフスタイルに合った3階建て住宅を提案してくれるHMはどこなのか?」を見極める為に、時間的な余裕を持ちじっくり比較してみましょう。

素敵なマイホームづくりを応援しています。

この記事を書いた人
管理人
管理人

資格:宅地建物取引士(東京都宅地建物取引業協会認定)
経歴:不動産・住宅業界約10年
元ハウスメーカー勤務。現在は家づくり関連の情報サイトを複数手掛けるWEBディレクター
不動産・住宅業界10年以上の経験を活かし、注文住宅に関する"分からない事"を解消できるようにこのサイトを作成しました。